Z世代の感覚にハマった“盛れないSNS” 「映え」は消えゆく概念なのか:「AI」にマーケティングについて聞いてみた
マーケターが気になるあれこれについて「AI」に質問してみる本連載。今回のテーマは「“盛れないSNS”ブームと映え文化」です。
フィルターは使えず、毎日特定の時間に来る通知をもとに2分以内に友達に写真をシェアするSNS「BeReal」が若い人々に人気を博しています。Z世代向けマーケティング支援サービスを展開するAMFが発表した「JC・JK流行語大賞2023年上半期」では「コト」部門で「推しの子」に次ぐ2位を獲得。Z世代のコミュニケーションの特徴を象徴するようなサービスとして注目を集めています。でも“盛れないSNS”の何が面白いのか、正直ピンと来ないという人も少なくないのではないでしょうか。特に、Z世代と一回りも二回りも年齢の離れた人々には……。若者はなぜBeRealにハマるのか。OpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」に聞いてみました。
「BeReal」の何が面白いの?
リアルなコミュニケーションを求めるZ世代は加工されていない写真を共有することでお互いの本質や価値観に触れ、深い絆を生んでいると。なるほどです。
ところで気になるのは、ChatGPTの回答にある「SNS上の偽りや虚飾」という表現。ここから連想されるのは、いわゆる 「映(ば)え」の追求です。盛れないSNSもさることながら、そこで否定されたSNS映えという文化も、非若年層には理解しにくいものです。そもそもなぜ人は盛りたがり、SNS映えを求めそもそもたのでしょうか。
「自分が体験した素敵なコト、モノ、ライフスタイルを仲間に共有したいという気持ちはとても理解ができます。ただ、なぜ疲れるほど映えを追求し、偽りや虚飾が加速してしまったのでしょうか」という問いへのChatGPTの回答
映えを過度に重視する傾向が加速していったのには「承認欲求」「他社との比較」「ビジュアル重視なSNSの登場」といった要素が影響したとChatGPTは指摘します。映える日常を投稿して「いいね」を集めて承認欲求を満たす一方で、他者のキラキラした様子を見て自分に足りないものを感じてしまう。この繰り返しで疲弊してしまった反動から、BeRealのようなSNSが逆に注目されたというわけですね。
ChatGPTが「他者との比較を嫌い、ありのままの自分を愛し、より真実性やオーセンシティを重視する」と説明するZ世代の特徴からすると、盛れないSNSの方がより「らしさ」を感じると言えなくもありませんが、そうなると映え文化の方は消えていくのでしょうか。
「映え文化が完全に消えることはないかもしれませんが、その形は変化し続けるでしょう」。ChatGPTお得意の誰も傷つけず、誰も責任を取らずにすむ玉虫色なお返事。ですが、より多様でバランスの取れた「映え」って何なんですかね。
詰め過ぎて都合が悪かったのか、エラーが出てしまいました(単純にアクセスが集中し過ぎているだけ説も)。
ChatGPTにはっきりとした結論を出してもらうのはどのみち期待できそうにないので勝手に想像すると、おそらく「映え」が形を変えるとしたら、従来のような写真に写る見た目の美しさといったものではなく、より個々人の価値観を反映したものになるのではないでしょうか。自分の価値観を反映したモノやコトこそが次世代の「映え」コンテンツになり、それが価値観の合うコミュニティーで共有されていく、という感じ。
実際にどうなるかは分かりませんが、消費者の感覚や行動の変化は驚くようなスピードで起こるもの。日進月歩のテクノロジー進化のトレンドも踏まえつつ、そこでどのようなアプローチを取っていくべきか、マーケターには適応力が問われそうです。
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