知っておくと必ず役立つnote活用の心得:note活用で企業の「想い」を広げる【第5回】
企業のnote活用を目的別に考えるこの連載、最終回のテーマは「note活用の心得」です。
コムニコのマーケティングチームの北村です。これまで第2回から第4回まで、「採用広報」「B2Bブランディング」「B2Cブランディング」におけるnote活用のポイントや、note活用で成果を得た企業の活用事例を紹介しました。最終回となる今回は、実際に企業がnoteを活用する際、知っておくとより運用が効果的になる方法などを、noteでnote pro事業部長を務める半田美幸氏と共にお話しします。
まずは文字数を気にせずに書いてみよう
北村 noteにチャレンジする多くの方は、noteに適した文字数がどれくらいか気になっていると思います。あまり長くなっても良くないだろうと思いつつ、文字数はどれくらいが適切なのでしょうか。
半田 これは私たちもよく聞かれることですね。私たちからは、「気にしなくていい」とお伝えしています。長くてもだめ、短くてもだめということはないと思います。
北村 例えば4000字くらいを目標に文字に起こしてみたのに結局2000字程度にしかならなかったというとき、かさ増ししようと思って書き足すのはお薦めしないですよね。また逆に、文量が多くなってしまったからと一生懸命そぎ落とすと、重要なポイントが抜けてもったいないことになりかねない。そう考えるとあまり文字数を気にしない方がいいということですね。
半田 そうですね。文字数が多くなってしまった場合は、例えば冒頭にサマライズ(要約)を載せておくとか、タイトルを工夫して何の記事かを分かりやすくするとか、そういうことをお薦めします。
北村 文字数の他には、見出し画像もポイントだと思っています。これまで目的別のnoteの活用事例として見てきた複数企業に関しても、タイトル画像には各社のカラーが出ていました。企業の公式アカウントとして運用する場合、どのようなタイトル画像にするのが良いか、お薦めやポイントはありますか。
半田 基本的に、noteは他のSNSプラットフォームと連携させて読者を集めると思いますので、他のSNS上に載った際に、一目でどんな記事かが分かりやすいものが良いと考えています。ただ、見出し画像用に画像を作成すると、時間や費用がかかる場合があるので、どこまで手をかけるかは考える必要があります。タイトルと連動させて興味を惹く画像にできるようにはしたいですね。もし著名な方が記事に関わっていたら、その方の顔写真を使うことができるとより関心を引くものにできるのではないでしょうか。
他SNSプラットフォームの活用が重要
北村 今、noteと他SNSプラットフォームとの連携のお話がありました。当社も、お客さまのnote運用のご支援をする際、他のSNSも同時に活用することをお薦めします。他SNSプラットフォームとの連携はどのような方法がお薦めですか。
半田 私たちからは、まずX(旧Twitter)の活用を推奨します。noteの記事を公開した後は、Xアカウントで「note記事を公開しました。(+note記事のURL)」といった内容の投稿をするのが、読者を増やすための重要な活動だと伝えています。Xは拡散性が高いメディアであるとも言われていますので。
北村 SNS投稿から簡単にnote記事に遷移できることを考えると、Facebookでも同様の投稿をするとより読者を増やせそうですね。Instagramはフィード投稿から外部サイトに遷移できないけど、ストーリーズ投稿であればリンクから遷移できる。でも拡散性の高さを考えると、やっぱりXが一番読者数を増やすのには効果がありそうですね。コムニコが運営しているnote「at comnico」は、note記事公開後、XとFacebook両方で投稿をしています。
半田 あと、noteって「街」という表現をしているんですが、そもそもnoteユーザーである「noteの街の人」がいます。外部からの集客だけでなく、noteにいる人たちにも読んでもらえるといった特徴があって、「ゼロから集客」という状況にはなりません。だからnoteのプラットフォーム上に記事を公開すると、一定の読者が付くのですが、さらに他のSNSを活用することで読者を増やすことが可能になります。
note運用で生まれる社内コミュニケーション
北村 加えて、「at comnico」では、社内共有もマストにしています。「本日、●●さん(従業員)のインタビュー記事をnoteに公開しました!ぜひ読んでください!」といった内容です。
半田 noteを活用されている企業様からよく聞くのですが、コムニコさんのように、まず社内チャットツールで「note記事公開しました」と共有して読んでもらうと、「あの人、こんなお仕事していたんだ!」という社内理解につながる声があがるそうです。他部署の方、なんなら隣の席の方が何をやっているか、知らないことって意外とありますよね。あとは執筆者が「すごくいい記事でした!」と同僚や経営層からもほめられて、モチベーション向上につながるというケースもあります。さまざまな社内コミュニケーションが生まれるという事例は、多くの企業から聞きますね。
北村 なるほど。それはまさに、本連載の第2回「採用広報」の時にあがった、「企業のファンを増やすためには、まずは自社の社員をファンにする」という話にもつながりますね。
半田 そうなんです。実は、noteの記事を執筆しながら、愛社精神が高まるという方も結構いるらしくて。例えば自身の仕事内容についての記事を執筆すると、自分の仕事を整理することもできるし、なぜ今この会社で働いているか、あらためてこの会社に入った意義について考え、振り返ることができます。こういう点でも、インナーブランディング(社内に対するブランディング活動)につながりますね。社内の複数の方に自身の仕事について執筆をしてもらうと、こういったメリットも生まれます。企業によっては、「noteアワード」みたいなものを作って、年間で最も良かった記事、優秀作品といったものを表彰するなど、社内コミュニケーションの活性化やモチベーションアップをはかっているケースもあります。
北村 それはいいことですね。確かに文章を書く作業って、結構自分を見つめ直すことになると思います。これまで「採用広報」「B2Bブランディング」「B2Cブランディング」というnote活用の目的についてお話ししてきましたが、実は最終的には全て、「社員を企業のファンにする」ところにつながってくるのではないかと、僕は思いました。企業にとっては、非常に重要なことですよね。
この連載について
今、多くの企業がオウンドメディア運用に活用している「note」。noteは、2014年4月にサービスが開始され、2023年5月末時点で会員数は663万人に達している。当連載では、SNSマーケティングの総合代理店であるコムニコが、複数社の好事例の紹介も交えながら、企業が有効にnoteを活用する方法を解説する。
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