AIの時代だからこそ「ブランドマーケティング」が必要になる:HubSpotのCMOが語る「マーケティングリーダーが今こそ持つべき視点」【前編】
世界と日本のマーケティングトレンドとこれからマーケターが向き合うべきことについて、HubSpotでCMOを務めるキップ・ボドナー氏が語った。
万物は流転する。消費者も経済環境もテクノロジーも昨日と同じではない。目まぐるしい変化を成長のチャンスに変えるため、今マーケターは何を知り、どう行動すべきか。本稿ではHubSpot Japanが2023年6月にオンラインで公開した同社最高マーケティング責任者(CMO)キップ・ボドナー氏とHubSpot Japanシニアマーケティングディレクター伊佐裕也氏の対談を基に、世界と日本のマーケターが知るべきトレンドとこれから持つべき視点についてまとめた。
世界と日本のマーケティングトレンド
まず、世界に共通する傾向として見逃せないのが、マクロ経済の鈍化だ。
多くの企業がコスト削減に踏み切り、購入の意思決定に対して慎重になっている。ボドナー氏は「大規模な購入には『購入委員会』が編成され、従来は1人か2人で行っていた購入の意思決定を3〜6人で行うのがB2Bの分野で一般的になっている」と指摘する。
もちろん日本も例外ではない。伊佐氏はHubSpot Japanが2023年5月に公開した「日本のマーケティング組織が抱える課題についての意識調査」の結果を紹介した。同調査で「見込み客は競合との価格比較に敏感になっている」と答えた回答者は全体(732人)の42.2%。に上る。「見込み客は競合他社の情報を収集するようになったと感じる」と答えた回答者も36.6%で、B2Bの購入意思決定は慎重になっている。マーケティングや営業の担当者にとっては厳しい状況だ。
AIが変えること
一方、マーケティング業務の現場で直面する大きな変化が、プライバシー保護の気運の高まりと、AI(人工知能)技術の成熟だ。
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