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変革ビジョンはなぜ形骸化してしまうのか?――調査が明かした経営層と現場の社員のギャップ:「パーパス」起点の変革ビジョンを作る【前編】
掛け声ばかり勇ましくて実際の取組みは遅々として進まない――。DXに関して同じ悩みを抱えるリーダーは少なくないはずだ。「なぜ今わが社に変革が必要か」を現場の社員の一人一人に腹落ちさせるために必要なことは何か。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させるには「自社が変革に向けてどんな指針を持ち、行動を起こしていくのか」を示す変革ビジョンの策定が欠かせない。
変革ビジョンを策定する目的は、会社全体に変革への理解を浸透させ、DXをスムーズに進めることにある。しかし残念なことに、この目的を達成できていない変革ビジョンも多く見受けられる。電通デジタルが国内企業の経営層と現場社員に行ったアンケート調査によると、半数以上の企業で変革ビジョンが形骸化してしまい、現場社員の求心力が高まっていないという実態が明らかになった。
変革ビジョンの求心力を高め、会社全体、ひいては顧客・ステークホルダーを巻き込み、DXを成功へ導くにはどうすればいいのか。本稿では、求心力のある変革ビジョンを作るためのフレームワーク「PECの工夫」および変革ビジョンの理想的な状態をモデル化した「トライアングルー(TrianGlue)」について解説する。
経営層の実感「現場との意識ギャップにより、変革スピードが停滞」
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