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B2Bではなぜ「ユーザー会」が重要なのか?――ユーザーとベンダー両方の立場を経験して見えたことB2Bコミュニティーマーケティングの実践【前編】

多くの企業でMA導入が進み、B2Bマーケターが活躍する機会が増えている。一方、思うように成果が出なかったり営業との関係や経営からの評価に悩んだりすることが多いのも事実。その悩み解決の糸口は、社内ではなく外部のコミュニティーにあるのかもしれない。

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 同じ製品を使って同じ業務に従事する者同士が企業の枠を超えて集い、ベストプラクティスを持ち寄ったり悩みを相談したりできる場――B2B製品におけるユーザーコミュニティーの存在は、ユーザーにとってありがたいものだ。一方で製品を提供する企業の立場から見ても、コミュニティーはユーザーとのエンゲージメントを深める上でやはり欠かせないものといえる。

 購買はゴールであり、スタートでもある。コミュニティーを通じてユーザーに製品を深く知ってもらい業務での成果に反映してもらえれば、再契約やアップセル、クロスセルにつながるかもしれない。ユーザーが新しいユーザーを連れてきてくれることだって期待できる。

 本稿では、アドビでユーザー会運営に関わる松井真理子氏が自身の体験を踏まえつつ「B2Bコミュニティーマーケティング」を語る。


寄稿者紹介

松井さん

松井真理子

まつい・まりこ アドビ DXマーケティング部 マーケティングマネージャー。B2Bマーケティング一筋で約20年ほど従事。2015年よりMarketo(現Adobe Marketo Engage)をユーザーとして活用中。2020年3月より現職。Adobe Marketo Engageのデマンドジェネレーションからカスタマーマーケティング全般を担当。


ユーザーからユーザー会の運営側に

 私は新卒で半導体商社に入社して以来、ずっとB2Bマーケティング一筋のキャリアを積んできました。2013年からの7年間、セキュリティソフトウェアベンダー勤務を経て2020年3月に入社したアドビは、私にとって3社目の会社です。

 アドビ入社はマルケト統合が終わった2019年3月からちょうど1年が経ち、これからアドビとして「Adobe Marketo Engage」をどう売っていくか、その真価が問われる大事な時期だったと思います。前職在籍時の私はAdobe Marketo Engage(当時はMarketo)のユーザーでした。統合前の旧マルケト時代からユーザー会のメンバーとして運営に関わっていたこともあり、そのご縁もあってありがたくもアドビのマーケティングチームから誘いの声をかけていただき、ベンダー側で新しいチャレンジをしてみようと気持ちを固めました。現在は新規のお客さまを対象とするデマンドジェネレーションから、既存のお客さまを対象とするカスタマーマーケティングに至るさまざまな業務に従事しています。

 カスタマーマーケティングの仕事の中でも、アドビはユーザー会の運営を重視しています。今回はユーザーとコミュニティー運営、両方を経験した立場から、アドビがユーザー会運営をどうサポートしているかを紹介したいと思います。

5つの分科会

 私が事務局の運営をしているユーザー会の組織は、グローバルではMUG(Marketo Engage User Group)、日本の組織はJMUG(Japan Marketo Engage User Group)と呼ばれています。現在の「MUG Day」に当たるユーザー総会を最初に開催したのは2014年8月のことで、旧マルケトの日本進出から間もない時期にもかかわらず60人が集まったと聞きました。その数はさらに増え続け、ここ数年のユーザー総会は約600人前後の規模(登録者数ベース)で推移しています。

 JMUGの下に設置した分科会は現在、以下の5つ。活動の頻度は月1回のところもあれば、隔月1回、四半期に1回のところもあるなど、分科会によってさまざまです。

  • Marketo ファンデーション:初心者向け
  • SFKETO(セフケト):Salesforce連携がテーマ
  • TELKETO(テルケト):インサイドセールスが集まる
  • ITKETO(イトケト):B2B IT業界の人たちが集まる
  • 関西分科会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以降、活動の場はオンラインに移りました。以前は春と秋の年2回に行っていたMUG Dayは、2020年から「MUG Day Online」として開催しています。

他社のマーケターと交流する意義

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