なぜ日本企業だけがデータを中心としたコミュニケーションへの変化に否定的なのか:コロナ禍がもたらした変化
パンデミックがコミュニケーションに与えた影響について、ビジネスリーダーの評価が日本と他の市場で異なっていることが判明した。この格差をどう見るべきか。Tableauで日本のカントリーマネージャーを務める佐藤 豊氏が解説する。
Salesforce傘下のTableauは独立系調査会社のYouGovに委託してグローバルのビジネスリーダー(経営層、Cレベルを含む管理職)に対する意識調査を行い、「コロナ禍がもたらしたビジネスにおけるコミュニケーションの変化をどのように受け止めているか」を調べた。結果、グローバルでは37%のビジネスリーダーが変化を肯定的に受け止めているのに対し、日本ではわずか26%にとどまっていることが明らかとなった。この格差をどう見るべきか。Tableauで日本のカントリーマネージャーを務める佐藤 豊氏が解説する。
変化を否定的に捉えているのは日本だけ
コロナ禍が始まってから約2年が過ぎようとする今、グローバルでは、コロナ禍によって生じたコミュニケーションの変化を肯定的に捉えるリーダーが増えています。今回の調査は世界9カ国(英国、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデン、ブラジル、オーストラリア、シンガポール、日本)のビジネスリーダー1977人を対象に行いましたが、コロナ禍の影響を否定的に捉えているリーダーの方が多かったのは日本だけです。
日本の階層的なワークスタイルが足かせとなり、また諸外国に比べて圧倒的にデータ活用が進んでいないことが、その原因として考えられます。「ビジネス会話を円滑にするためにパンデミック中にデータ利用を増加しましたか」という問いに対し、YESと答えたリーダーはグローバル平均で43%でしたが、日本では26%にすぎません。この数値だけを見ても、日本のデータ活用がいかに遅れているか、お分かりいただけるのではないでしょうか。
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