誕生から14年を迎えたAppleのiPhone。毎年9月になると「そろそろ新作の発表があるのかな……」とそわそわする人もいるかもしれません。かつては新作発売日にアップルストアの店頭にできる行列が一つの風物詩でしたが、いまではコロナ対策の観点から来店は完全予約制となり、静かな発売日がニューノーマルとなっています。
2021年9月15日に発表、24日に発売されたのはiPhone 13シリーズの4モデルです。AppleのiPhone発表に関しては、数カ月にもわたるうわさやリーク情報、臆測、マニアックな妄想が恒例ですが、Google Trendsのデータによると、iPhoneの新作発表というイベント自体が以前ほどの話題性がなくなっているようです。「iPhone」という検索ワードでの世界における関心度を見ると、iPhone 12と同様、iPhone 13の発表も、前作ほどの注目を集められませんでした。
iPhone人気の頂点はいつ?
パンデミックによる経済的な影響も考えられますが、このグラフが示すように、iPhone 5を頂点に、それ以降は熱狂的なファンは減少しています。スマートフォンの世界では真のイノベーションが起きていないことを示しているのかもしれません。日本ではiPhoneの新機種の価格は高いと受け止められ、むしろ旧型や中古品に注目が集まりやすい構図となっています。
それでもAppleは、iPhoneの売上高は依然として増加するとの見込みを示しています。iPhoneについては、新作購入へ誘導するための「計画的陳腐化」として、意図的な処理速度の低下を指摘する声もあり、2017年後半以来、火種はいまだに消えることなく、各国で訴訟も起きています。新作を出しても以前ほどバズらなくなっていることを考えると、そろそろ開発サイクルを見直す時期に来ているのかもしれませんね。
(原文はこちらから:Felix Richter,「New iPhones Don't Create as Much Buzz as They Used To」)
この連載について
経済、テクノロジーからちょっとした小ネタまで、マーケターの頭の片隅を刺激するトピックをインフォグラフィックスで紹介。元ネタは世界最大級のビジネスデータプラットフォームを提供するドイツ企業Statistaが日々公開しているコンテンツ。同社日本オフィス代表の津乗学氏の翻訳と解説付きで、ほぼ週刊でお届け。
執筆者紹介
津乗学
つのり・まなぶ 2019年11月、Statista日本オフィス開設に伴いカントリーマネージャーに就任。それ以前は外資メーカーやITベンダーにて IoT x デジタルをテーマにソリューション開発に従事。デザイナーやスクール講師といった経歴も持つ。
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