ライブコマースを今始めるべき理由と成功するためのポイント 17LIVEのCEOに聞く:コミュニティー形成が鍵
オンラインでのショッピング体験の充実がコロナ禍の課題となっている。新たな手法として注目されるのが、ライブ配信経由でダイレクトに購入を促す「ライブコマース」だ。
いまやネットを通じた買い物は若者のみならず全世代において日常生活の一部になっていると言っても過言ではないだろう。ECの拡張はコロナ禍で売り上げの低迷に悩む企業にとっては生き残りをかけた重要な課題でもある。また近年は自社サイトを通じて商品を顧客に直接販売するD2C(Direct To Consumer)モデルで成長するブランドも数多く台頭している。
この状況下で注目される新しい販売スタイルが「ライブコマース」だ。ライブ配信と販売を融合させたライブコマースは中国などでは広く普及している。KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれ圧倒的な数のフォロワーを擁するインフルエンサーがライブ中継で商品を紹介すると、飛ぶようにモノが売れる。そうした様子を伝え聞いて、同様の成功モデルを取り入れたいと考えるマーケターは少なくないだろう。もちろん、ライブコマースをやれば何でも売れるというわけではない。だが、その本質を理解して適切な運用ができれば、ライブコマースが有望な販売手法に育つ可能性はある。
スマホ一台で始めるライブコマース
17LIVEは、ライブ配信アプリ「17LIVE」を運営する企業だ。2015年に台湾でサービスを開始し、2017年に始まった日本語版では、モデルやミュージシャン、クリエイターなどを中心にさまざまな人がさまざまなコンテンツを日々配信している。
17LIVE配信者は広告案件や視聴回数に応じた収入を個別に受け取ることができる他、視聴者が購入したポイントを「ギフト」という形で受け取って収益を得ることもできる。17LIVEのGlobal CEO兼日本法人17LIVE代表取締役の小野裕史氏は「17LIVEは誰でも手軽に、いつでも人とつながれるチャンスを提供するプラットフォーム」と語る。
その17LIVEが2019年より提供しているライブコマースツールが「HandsUP」だ。HandsUPはライブ配信機能と販売管理、注文顧客管理機能を備えたSaaS(Software as a Service)。これを使うことで専用のライブ配信ページを作成し、カートを設置してライブ内で紹介した商品を販売できるようになる。また、ダッシュボードや販促用のクーポン、抽選機能なども備えているので、配信結果を見ながら次の打ち手を考えてPDCAサイクルを回すことができる。
HandsUPによって、スマホ一台あれば誰でもすぐにライブコマースを始められるようになった。既にECサイトを運営していればそこに誘導することもできるが、HandsUP内で決済まで完結させることもできる。実店舗を運営するお店が人気アイテムのみを小規模でオンライン販売するといった使い方も可能だ。
HandsUPの導入企業数はグローバルで7300社以上(2020年3月)、売り上げは2021年第1四半期で前年同期比125%と好調だ。「コロナ禍で一気に興味が高まり、実際の利用が始まった」と小野氏は推察している。
購入を促す顧客同士のコミュニケーション
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