AndroidにおけるカジュアルゲームアプリのCPIが急騰 iOSのIDFA利用制限の影響か――Liftoff Mobile調査:今日のリサーチ
成長著しいカジュアルゲームの傾向をまとめたレポートです。
アプリマーケティングプラットフォームを提供するLiftoff Mobileは「カジュアルゲームアプリレポート」を発表しました。
同レポートはLiftoffにおける2020年3月1日から2021年2月28日までのデータに基づいたもので、416の対象アプリにおける3400億件のインプレッション、57億件のクリック、2億4600万回のインストール、2億3100万件の初回イベントなどが含まれています。さらに、コスト、コンバージョン、ROAS(広告費用対効果)を追跡し、データをプラットフォーム別(iOSとAndroid)、国・地域別などに分類しています。
成長するカジュアルゲーム市場とその課題
コロナ禍で可処分時間が増える中、モバイルゲームは利用時間と支出の両方で大きく成長しています。中でも多くのヒットを生んでいるジャンルがカジュアルゲーム(ライフスタイル、パズル、シミュレーションジャンル)です。
しかし、成長を持続させるためには課題もあります。その一つが、AppleがiOS 14.5で導入したATT(App Tracking Transparency:アプリトラッキング透明性)への対応です。ATTにより、アプリパブリッシャーはユーザーのiOSデバイス端末(iPhoneなど)に関連付けられたIDFA(Identifier for Advertisers:広告識別子)を利用するに当たり、アプリごとにユーザーの許可を取得しなければなりません。ATTはAppleがユーザーのプライバシー保護の観点から導入した機能ですが、デジタル広告の観点からすると、iOS向けのターゲット設定と効果測定が難しくなることを意味します。
その影響か、レポートではATT導入を前に広告予算がAndroidにシフトしている兆しが見られます。具体的には、AndroidにおけるCPI(インストール単価)が2020年3月の0.92ドルから2021年2月には2.02ドルとなり、1年間で120%も増加しました。なお、iOSのCPIは、3.28ドルから4.82ドルへ47%増となっています。iOSの方が依然として高コストではありますが、Androidではより急激な増加率となっています。
カジュアルゲームのジャンル別CPI
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