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「Tableau 2021.1」の強化ポイントと新コンセプト「ビジネスサイエンス」についてデータサイエンスの民主化

「拡張アナリティクス」から「ビジネスサイエンス」へ。Tableau Softwareは記者説明会を開催し、最新バージョン「Tableau 2021.1」の重要強化ポイントと新コンセプトについて紹介した。

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 Tableau Software(以下、Tableau)は2021年4月27日、最新バージョンである「Tableau 2021.1」をローンチした。最新バージョンは、データサイエンスへのアクセスを容易にすることに焦点を当てている。

「拡張アナリティクス」から「ビジネスサイエンス」へ


Tableau Software カントリーマネージャーの佐藤豊氏

 あらゆるビジネスがかつてない変化に直面する中、リーダーが迅速に意思決定を下すことは急務と言えよう。そのために不可欠なのがデータ活用だが、十分な成果を得られている企業はごく一部だ。「データからインサイトを得られる企業とそうではない企業との間に格差が生じている」とTableau Software カントリーマネージャーの佐藤豊氏は指摘する。

 この問題に対するTableauのこれまでのアプローチは「拡張アナリティクス」であった。具体的には、「データに聞く(Ask Data)」や「データの説明を見る(Explain Data)」と呼ばれる機能を提供することだ。ダッシュボードでデータを見ていると、なぜそうなっているかが気になることが頻繁に起きる。「データに聞く」機能は自然言語クエリの一種で、テキストボックスに質問の形で言葉を入力するだけで、ビジネスユーザーが求めるデータを抽出し、回答として新しいビューを提示してくれる。もう1つの「データの説明を見る」機能は、データを1回クリックするだけで背景にある理由を提示してくれるものだ。高度な統計モデルに基づき、的確に背景説明を提供するため、ビジネスユーザーがドリルダウンして回答を探す時間の無駄を減らすことができる。いずれの機能もBIツールを使うときに必要なデータ操作の方法を知らなくても使える。拡張アナリティクスは、ビジネスユーザーが誰かの手を借りることなく、スマートにかつ迅速に意思決定を下すことをサポートするものと言えるだろう。

 これと対極にあるのがデータサイエンスだ。データサイエンスにおいては、データセットの準備から始まり、モデル構築と検証、ビジネスアプリケーションへのモデルのデプロイ、運用に至るモデルのライフサイクル全体での専門的なスキルが必要とされる。だが、AIからビジネスユーザーが実用的なインサイトを得て意思決定につなげようとすれば、やはりデータサイエンスの知見は不可欠になってくる。しかし、全ての企業がデータサイエンスチームを抱えているわけではない。チームがあったとしても、人材不足の中でスケールさせることは困難だ。故に、多くの企業はデータサイエンスの価値を得ようにも得られない。だからと言って、社内でデータサイエンティストを育成しようとしても、一般のビジネスユーザーがこのスキルを獲得するのは容易なことではない。

 そこで、データサイエンスとビジネスユーザーができる分析とのギャップを埋めるためにTableauが打ち出したのが、拡張アナリティクスから一歩進んだ「ビジネスサイエンス」という新たなコンセプトである。

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