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「Adobe Real-Time CDP」がCookieレス時代のマーケターにもたらすものファーストパーティーデータの活用で顧客体験強化(1/2 ページ)

Adobeがファーストパーティデータ指向型の次世代型CDPを発表。あるべき脱Cookie戦略についてAdobeの考え方をまとめた。

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 Adobeは2021年4月27日、次世代のCDP(顧客データプラットフォーム)「Adobe Real-Time CDP」を発表した。同製品は「Adobe Experience Platform」で提供してきたCDP機能を単独のアプリケーションとしたもの。これまで通りAdobe Experience Platformに蓄積されたデータとIdentity Serviceを使って認知向上やデータガバナンス機能が利用できる他、Cookieレスへの対応を強化している。また、個人と法人アカウントの両方のプロファイルを統合して使うことのできるB2B版の提供も開始している。

 本稿では、日本法人のアドビが発表に先立って開催した記者向けの説明会および年次イベント「Adobe Summit 2021」(関連記事)の内容を踏まえつつ、この新たなCDPの提供価値とCookieレス時代のマーケティングについてのアドビの考え方を紹介する。

プライバシーに配慮した形でのパーソナライゼーション

 顧客体験管理(CXM)を重視するブランドは、カスタマージャーニー全体の中で、顧客に提供する体験の各ステップをシームレスにつなげなくてはならない。しかし、一人が複数台の端末を使い、Webやアプリ、SNSなどさまざまなチャネルを同時に使う中で一貫した顧客体験を実現するのは簡単なことではない。

 最近では各国の制度変更やプラットフォームの技術の変更が、データによる顧客像の可視化をやりにくくしている面もある。背景にあるのは個人情報意識の高まりだ。人々が自分の情報を主体的にコントロールしたいと考えるのは当然のことだ。

 これまで顧客の識別に活用されてきたサードパーティーCookieや端末IDなどは今後、使用できなくなるだろう。一方でマーケターはこれまで通り、より良い顧客体験の実現を目指さなければならない。それも、プライバシーを尊重し顧客に価値をもたらすやり方で。

 そのための鍵となるのが、Adobe Real-Time CDPだ。同製品で利用許諾済みのファーストパーティーデータ(自社が保有する顧客データ)を統合・活用することで、企業はサードパーティーCookieに依存せずに、より精度の高い顧客プロファイルを保有することができる。例えばWeb閲覧履歴のようなインタラクションデータと、ブランドサイトに登録した電子メールや電話番号、さらには媒体社から提供されるメディアデータ、実店舗やコンタクトセンターの履歴を組み合わせるといった具合だ。

 正しい顧客理解は正しいタイミングで正しいコンテンツを届けることにつながる。Adobe Real-Time CDPに格納された顧客プロファイルを「Adobe Target」と連携させることで、最適なコンテンツ、オファーをリアルタイムに提供し、顧客獲得とエンゲージメント向上が期待できる。また、Adobe Real-Time CDPはデータガバナンス機能を備えており、マーケターやデータサイエンティストなど、データを使用する人が企業のデータポリシーを理解し適切な行動を取れるよう支援する。

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