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置き配バッグ「OKIPPA」 顧客と社会の課題解決、そして新たな価値創造へサブスクリプションという選択「玄関前」をプラットフォームに

ネット通販利用の拡大と共に注目されるようになったのが宅配便の再配達による社会的損失という課題。解決策の一つである「置き配」に注目して事業を営む物流系ITスタートアップ企業の市場創造戦略を探った。

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 OKIPPA(オキッパ)というサービスをご存じだろうか。2018年にIT系スタートアップ企業のYper(イーパー)が開始した、配送業者が荷物を玄関先に置いていく、いわゆる「置き配」の受け取りサービスだ。

 同社が提供するポリエステル製のバッグ「OKIPPA」を玄関のドアノブにぶら下げておくと、配送業者がその中に荷物を入れていってくれる。通常は小さく折りたたんでおくことができて、荷物が届いたときに宅配業者がOKIPPAバッグを展開して、中に荷物を置く。一見すると頼りない感じもするが生地は丈夫で、盗難防止用のワイヤや南京錠も付いている。


OKIPPAを玄関のドアノブにぶら下げておくと、配送業者がその中に荷物を入れていってくれる

 OKIPPAはスマホアプリと連携して利用することが前提となっている。運送会社9社の配送状況表示に対応し、OKIPPAに荷物が入れられると、配送完了通知がスマホに届く。楽天、Yahoo!ショッピング、ユニクロなどのアカウント情報やアマゾン等のネット通販に使用するGmailアカウントとひも付ければ、配送状況の追跡もできる。バッグの価格は3980円(税・送料込み)で、2020年12月1日現在、全国で16万個販売されている。

置き配をビジネスにする意義


Yper代表取締役の内山智晴氏

 OKIPPAは宅配サービスの不在再配達を減らす有効な手段の一つとして注目されている。Eコマースの普及とともに増加した不在再配達は荷物を受け取る側、送る側に不便を強いている。のみならず、配送業者の労働負荷や配送に伴うCO2排出など社会的損失も大きい。Yper代表取締役の内山智晴氏が同社を起業したのも、この不在再配達問題を解決するためだ。

 不在時でも配達を完了できる仕組みとして、一部の分譲マンションなどではこれまでも宅配ボックスを利用できることがあった。しかし、そうしたオプションを利用できない人も多い。そこで生まれたのが置き配だ。

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