調査リポート
2020年米国ホリデーシーズンショッピング、オンライン売上高が過去最高に――Adobe予測:今日のリサーチ
Adobeはホリデーシーズンの米国におけるオンライン売上高が1890億ドルになると予測しています。
Adobeの予測によると、2020年のホリデーシーズンのオンライン売上高は、前年同期比33%増の過去最高となる1890億ドルに達する見込みです。これは1シーズンで2年分の成長に相当します。また、COVID-19の流行が再拡大して再びロックダウン(実店舗の閉鎖)が必要となり、併せて政府から再度の給付金が支給される状況になれば、消費者はオンラインでさらに110億ドルを消費し、その合計は2000億ドル(前年同期比47%増)を上回るとしています。
サイバーマンデーからサイバーウイーク、そしてサイバー月間へ
Adobeはまた、例年オンライン売上高が上昇するサイバーウイーク(2020年は11月26日から11月30日)に代わり、2020年は11月から12月にわたって「サイバー月間」化すると予測しています。以下は予測の詳細です。
- 1日の売上高:11月1日から21日までの間、オンライン売上高は毎日20億ドルを突破し、さらに、11月22日から12月3日までは毎日30億ドルに増加。
- ブラックフライデーとサイバーマンデー:ブラックフライデー(11月27日)のオンライン売上高予測は100億ドル(前年比39%増)。サイバーマンデー(11月30日)の売上高は127億ドル(前年比35%増)に。
- スマートフォンでの購入:米国でのスマートフォン経由の購入額は、2019年と比較して281億ドル増加し、オンライン売上高全体の42%を占める(前年比55%増)。
- 小規模小売店 vs. 大規模小売店:小規模小売業者(年間オンライン収益1000万〜5000万ドル)の収益は前年比107%増。84%増加が見込まれる大規模小売業者よりもさらに大幅な収益増となる。
- 人気を集めるギフト上位:レインボーコーン、キューティトス、リトルライブペット、Star Warsのおもちゃ、LEGOセット(玩具)。ビデオゲームソフトでは「サイバーパンク2077」「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」「マリオカート ライブ ホームサーキット 」「スーパーマリオ 3Dコレクション」。ビデオゲーム機ではPlayStation 5、Xbox Series X、Nintend・・Switch。
- 新規顧客の増加:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、ホリデーシーズンの買い物客全体の9%を、新規のオンラインショッピング顧客が占める。これにより、コンバージョン率は大幅に上昇(13%増加)するが平均受注額(AOV)は前年並みにとどまる。
- 大統領選週間(11月2〜6日):オンライン売上高は、合計163億ドルが見込まれる。投開票日の翌日のオンライン売上高は、その直前の平均から11%落ち込む。
- サイバーウイークがサイバー月間に拡大:感謝祭前である11月1〜22日の消費額は、前年比37%増の560億ドルとなる。出荷の遅れや製品需要、不透明な経済環境への懸念もあり、小売業者が、今シーズンのホリデーセールを大幅に前倒しする。また、ブラックフライデー(2020年11月27日)までにホリデーショッピングを済ませる予定の消費者も33%と、過去最高になっている。
- 11月のセールの前倒し:11月の最初の2週間でホリデーセールに伴う大幅なディスカウントが始まり、11月27〜30日に実施される各カテゴリーの最大ディスカウントまで、値下げが進行する。
- 消費者の多くが低価格または無料の配送オプションを選択:消費者の64%が、「お急ぎ便」などの配送オプションに追加でお金を払うつもりはないと回答。送料無料サービスを提供する小売業者はその締切日を消費者に早めに伝えておく必要がある。
- 小売業者は、サイバーマンデーの翌日に最も安価な配送オプションを提供する。
- 米国では友人や家族で集まることが難しい状況が続いているため、対面ではなく小売業者から直接届ける形式のギフト消費が前年比18%増となる見込み。
- 店頭での買い物への懸念が残る中で店舗受け取りを含むBOPISは有力な選択肢であり続ける:今回の調査から集計に含められた、オンラインで注文して店舗で受け取るBOPIS(Buy Online, Pick-up In Store)のホリデーシーズンの注文は、2019年の同じ時期と比較して40%増加見込み。人々が「パニック買い」に走るクリスマス直前の1週間は、BOPISを提供する小売店の全注文の50%をBOPISが占める。
アドビのマーケティング兼カスタマーインサイト担当バイスプレジデントのジョン・コープランド氏は「COVID-19に伴う消費者の新しい生活様式に小売業者が適応する中、セールの前倒し、配送・受け取りオプションの増加、店頭での購入への不安といった要因が、2020年のホリデーシーズンのオンライン売上高を記録的なものに押し上げる」とコメントしています。
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