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ソンミさんが作った“美肌塾”としてのD2Cブランド「meeth」ダイレクトな人々 第2回(1/2 ページ)

話題のD2Cブランドとそこで生まれるコミュニケーション、ブランドの仕掛け人の思想について考察するこの連載。第2回はモデルで美肌研究家のソンミさんが展開するスキンケアブランド「meeth」を取り上げます。

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この連載について

 自社で企画・製造した商品を自社のチャネルで販売するD2C(Direct to Consumer)のビジネスモデルが注目されている。D2Cの本質は、購入までのプロセスを通して、ブランドの価値を直(Direct)に体感してもらうところにある。それを後押しするのが、顧客の共感を生み出す「ストーリー」だ。この連載では、筆者が注目するD2Cブランドのストーリーとその語り手であるブランドオーナーに注目し、顧客の心をつかむコミュニケーションの在り方を考察する。

 第2回で取り上げるのは、スキンケアブランド「meeth(ミース)」。代表を務めるのは運営元のmeeth創業者でモデル・美肌研究家のソンミさんだ。

 20代のときに芸能活動をしていたソンミさんは、周囲のきれいな芸能人たちと自分を比較して、外見コンプレックスを感じることが多かった。一方で「透き通るような肌がきれいだね」と褒められることもあり、肌を自身のチャームポイントとして認識し、伸ばしていこうと決めて、さまざまなスキンケアアイテムを試すように。自らの肌を使ってテストしながら、美容成分についても学びを深めた。

 しかし、30代を迎えるころ、自分が心から納得して使えるスキンケアアイテムがあまりないと気付き、それなら自分で商品を開発しようと動き出した。そして2019年3月にmeethを立ち上げ、ECプラットフォーム「Shopify」を活用してECサイトを展開し、現在に至っている。

 芸能界にいたとき、ソンミさんは「消費されていく感覚」に苦しんでおり、義務感で動いていた時期もあったという。しかし、meethに関しては「自分が作りたいものを作っている」という自信や使命感をもって向き合っている。今回は、そんな彼女が大事に育てるブランドを見つめる。

皆の肌を美しくしたいという思いから

 meeth誕生の契機となったのは、あるときSNSでお気に入りのスキンケアアイテムを紹介したことだった。特に誰かの依頼があってした投稿ではないが、ファンから感謝の言葉をもらった。そこで、自分が心からいいと思うスキンケアアイテムを作って、慕ってくれるファンたちの肌をきれいにしたいと思い立ち、ブランド立ち上げに向けて動き出した。

 ブランド初の商品となった炭酸ガスパック「モアリッチパック」は発売と同時に完売した。当時、ソンミさんのInstagramアカウント(@sonchan0111)のフォロワーは約2万人(2020年9月10日時点では約5万人)。インフルエンサーとしてはさほど多くない。しかし、すこやかな美肌で知られるソンミさんが、肌への思いを自分の言葉で語るアカウントにはコアなファンがついている。一人一人の熱量の高さを考えれば、その影響力を単純にフォロワー数だけで測ることはできない。

 著名人がスキンケアアイテムやコスメの「プロデュース」に携わることは少なくない。しかしその内実は単なる広告塔としての名義貸しだったり、実際に商品開発に関わったとしてもせいぜい彼らが出した意見を何らかの形で反映したにすぎなかったりする場合もある。

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