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IMJ×電通デジタル×ネットイヤーグループ DX推進パートナーとの付き合い方を語るデジタル業界をけん引してきたリーダーが集結(1/2 ページ)

新しい日常にふさわしい顧客目線のサービスを創出する上でデジタルトランスフォーメーション(DX)は避けて通れない。しかし、具体的には何から始めればいいのか。そもそもあるべきDXとはどういうものか。エキスパートが語り合った。

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大によって外出自粛が叫ばれる中、観光・旅行業をはじめ、小売業や製造業など多くのビジネスがダメージを受けた。客足が遠のいただけではなく、サプライチェーンの目詰まりや政府による営業自粛要請でそもそもビジネスが継続不能に陥ってしまったケースもあるだろう。

 不可抗力はあったにせよ、同じ条件下でもダメージをより大きく受けた企業とさほどでもない企業がある。明暗を分けた要因の一つは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進捗(ちょく)度合いだ。リアルの販路が絶たれてもECである程度カバーできたり、訪問営業ができない分をオンラインでのナレッジ提供や非対面の営業に切り替えたりすることができた企業は、準備不足の企業に大きな差をつけたのではないだろうか。

 これまでも多くの企業がDXをテーマに掲げてはきたが、その重要度および緊急度はコロナ禍で急速に高まった。もはやDXに取り組まないという選択肢はないと言っていいだろう。

 変革を成し遂げるにはふさわしいパートナーが必要だ。しかし、デジタル業界では専門領域ごとに細分化された多数の企業がひしめき合う。同じようにDX推進を掲げていても、その出自をたどるとWebサイト構築、広告代理店、戦略コンサルなど、少しずつ強みは違っている、その中から企業が自社に合ったパートナーを見つけるのが難しい状況もある。

 本稿では2020年7月17日にネットイヤーグループが開催したオンラインセミナーにおけるパネルディスカッションから、ハイライトとなる部分を抽出して紹介する。パネリストは、アクセンチュア マネジング・ディレクター兼アイ・エム・ジェイ(IMJ)取締役の加藤圭介氏と電通デジタル執行役員の小林大介氏、ネットイヤーグループ執行役員の佐々木裕彦氏の3人。いずれもデジタルマーケティング黎明期から業界をけん引してきたエキスパートだ。モデレーターはネットイヤーグループ代表取締役社長CEOの石黒不二代氏が務めた。


デジタル業界のリーダーたちが、これから目指すべき顧客体験とDXの定義、そして真のDXパートナーのあるべき姿、付き合い方について熱く議論

コロナ後は顧客との信頼関係を再構築する好機

 最初のテーマは顧客との新たな関係性について。収束が見えないコロナ禍にあって「その後」を考える上では中長期的視点が必要になる。加藤氏は顧客体験と同様に今後、従業員体験が重要になるであろうと考えている。

 「良い例が、2020年2月にアプリのリニューアルを行ったカインズ。特定の店舗の在庫検索や商品の陳列場所をアプリで確認できるようになった。顧客は自分でストレスなく商品を探せる一方、従業員は『この商品どこにあるの』といった、頻繁にある問い合わせから解放され、より付加価値の高い提案や接客に時間を使えるようになった。顧客体験と従業員体験をセットで高めることに成功している」(加藤氏)

 小林氏が挙げたキーワードは「ヒューマニティー」だ。経営姿勢の中に垣間見える人間らしさは顧客の心を動かし、その企業に対して「応援したい」という気持ちを植え付ける。故に「企業側も社会的使命を自覚し、ときには短期的な利益を犠牲にしてでも顧客に寄り添おうとする姿勢を見せるべきだ」(小林氏)というのだ。

 Netflixが一定期間視聴していない利用者に対して継続確認を実施するようになったことなども、そうした姿勢の一例に当たる。企業都合だけでいえば、利用者がサービスを使っていようといまいと、お金を払い続けてもらった方がいいはずだ。解約される可能性があっても顧客の不利益になることをしないと決断できるのは、相当な覚悟がいる。それをやれる企業だからこそ、信頼され、支持されるのだ。

 もちろん、顧客との関係を維持する上で最大のポイントとなるのは「記憶に残る体験」だ。新型コロナをきっかけに飲食店などでは、テイクアウトやデリバリーができる店が増えた。キャッシュレス決済の導入やECへの取り組みも加速している。佐々木氏は「オンラインかリアルか、顧客が主体的に選べるようになった。デジタルで何ができるか、逆にお店でしかできない接客とは何かを考える機会となっている」と、体験の持つ価値がより一層高まっていることを示唆する。

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