リモートワークや時差出勤の導入状況を企業IPアドレスへの接続状況で読む――インティメート・マージャー調査:今日のリサーチ
ゴールデンウイーク明けは全国的に企業IPアクセス数の割合が増えています。ということは……。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は人々の働き方にも大きな影響を与えています。リモートワークや時差通勤を取り入れる企業も増えているようですが、そのシグナルは意外なデータからも読み取れるようです。
パブリックDMP「IM-DMP」を提供するインティメート・マージャーは、同社が保有する約4.7億件のオーディエンスデータとB2B向けリードジェネレーションツール「Select DMP」のIPアドレスと企業名(ランドスケイプの企業情報データベース「LBC」から取得)を掛け合わせたデータ(匿名化されたもの)を活用し、2020年2月25日から5月12日までの期間で企業IPアドレスに接続しているWindowsブラウザ数の推移を集計しました。
企業IPからのアクセスは、各社のオフィスの稼働状況と相関するものと考えられます。同調査の対象は「医療・福祉業」「宿泊・飲食業」「教育・学習支援」「情報通信業」の4業界。2月25日のアクセス数を100%とした場合のWindowsブラウザ数の変動を計測し、分析しています(地域別調査のみ、3月3日を100%として計測)。
これによると、業界別では「教育・学習支援業」「宿泊・飲食業」は、4月よりも5月の方が企業IPアクセス数は減少しており、リモートワークが一層進んでいる様子がうかがえます。一方で「医療・福祉業」「情報通信業」は増えており、出勤傾向が高いことが分かります。4月と5月の月初めの平日である4月7日と5月12日を2月25日と比較すると、4月7日時点の推移は医療・福祉業が15%減、教育・学習支援業が22%減、宿泊・飲食業が24%減、情報通信業が26%減であるのに対し、5月12日時点は医療・福祉業13%減(+2ポイント)、教育・学習支援業39%減(-17ポイント)、宿泊・飲食業が28%減(-4ポイント)、情報通信業が16%減(+10ポイント)でした。
ゴールデンウイークを境に出勤率が上昇か
また、ゴールデンウイーク前後の4月28日と5月12日の比較では、医療・福祉業と教育・学習支援業で8ポイント、宿泊・飲食業2ポイント、情報通信業ポイントの増加で、微増とはいえ4業界全てにおいて出勤率が高くなっていることが読み取れます。
時間別では、4月21日から午前6、7時台に出社する人の割合が増えています。東京都に所在している企業を対象に、午前6〜11時までの企業IPアクセス数を比較すると、特に6時台に出社する人が多く、2月25日と5月12日の比較で41%増、7時台は24%増でした。特に情報通信業で働く人の出勤時間に大きな変化が見られ、6時台に出社する人の割合は52%増加しました。
仕事でオフィスに出向くことの全てが「不要不急」というわけではありませんが、やむを得ず外出する際にもできるだけ感染リスクを避けて、安全に気を配りたいものです。
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