新型コロナウイルス感染拡大に関する不安 「経済への打撃」が「多くの死者が出ること」を上回る:今日のリサーチ
McCann Worldgroupが世界14カ国で実施した意識調査の結果、政府の対応体制が「整っている」と回答した人は世界全体では約3割、日本では2割未満にとどまりました。
McCann WorldgroupのグローバルなソートリーダーシップチームであるMcCann Worldgroup Truth Centralは、2020年3月中旬に日本を含む世界14カ国において、約1万4000人(各国約1000人)を対象として、COVID-19パンデミックに関する各国・各世代の意識調査「Human Truths in a Time of Coronavirus: Part 1」を実施しました。
新型コロナウイルスの感染拡大に対し、自国政府の対応体制が「整っている」および「とても整っている」と回答した人は、全世界で31%にとどまりました。「体制が整っている」と最も多くの回答者が答えたのはインド(55%)とトルコ(51%)であるのに対し、日本では18%の人しか同様の回答をしませんでした。「体制が整っている」という回答の中で「とても整っている」と回答した人は全世界全体では14%、国別では日本5%、英国6%、米国11%の順に低い結果となっています。
過半数の日本人が「メディアは不要にパニックをあおっている」と回答
パンデミックによって世界の人々が感じている主な不安は、
- 経済への打撃(48%)
- 多くの死者が出ること(43%)
- 社会的弱者が孤立すること(32%)
- 失業すること、または、お金に困ること(21%)
- 生活必需品が入手困難になること(28%)
- 人種差別が悪化すること(14%)
の順に多く、経済的打撃への不安が最も強かったのは、米国(56%)、カナダ(54%)、日本(54%)でした。多くの死者が出ることを最も懸念していたのはアルゼンチン(53%)と英国(52%)。失業を最も恐れているのは日本(35%)とカナダ(29%)という結果が出ました。また日本人の47%が、生活必需品の入手が困難になることを心配しています。
「コロナウイルスに感染したとしても、自分は大丈夫だと思う」と考えている人は世界全体では36%。一方、日本(13%)やイタリア(19%)など、拡大状況が長期化している国では、そのように考える回答者が最も少ない傾向にありました。その一方で、過半数の人が「自分は大丈夫だと思う」と答える傾向にあったのは、米国(58%)、カナダ(54%)、英国(47%)でした。
「メディアは不要にパニックをあおっている」と感じている人が多かったのは日本(56%)と英国(53%)。少なかったのはスペイン(29%)とイタリア(29%)でした。
経済状況や社会の成熟度、政府と国民の関係など、それぞれの国で事情が異なる中で、新型コロナウイルス感染拡大という前例のない事態への対処法に単純な正解はないのかもしれません。とはいえ、事態の収束に向けては国民一人一人の理解が不可欠。政府には信頼と合意形成に向けた努力が、メディアには正しい情報伝達が求められるのは言うまでもありません。
「調査のチカラ」更新中
ITmedia マーケティングの姉妹サイト「調査のチカラ」には、さまざまなリサーチデータへのリンクがジャンル別にまとめられています。
調べたいことがあるときには検索を行うことで、簡単にたくさんの調査データへアクセスできるようになっています。
それぞれの調査データは、内容に応じたタグや関連調査データへのリンクが設けられているので、思わぬ発見も期待できるはずです。
収録されたデータは約10万件。資料作成や企画立案のための情報源として、ぜひご活用ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.