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INBOUND 2018から考える、あらゆる企業がマーケティングで勝負する未来HubSpotと「マーケティングの民主化」(1/2 ページ)

今回はINBOUND 2018で発表された内容を基に、これからのマーケティングの未来を想像し、今後、日本市場にどのような変化が起こり得るか、考えてみたいと思います。

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 世界100カ国以上、約4万8000社が導入し、マーケティングオートメーション(MA)ツールのグローバルシェアトップを誇る「HubSpot(ハブスポット)」。毎年米国ボストンで開催される大規模なカンファレンス「INBOUND」では、世界各国からパートナー企業やデジタルマーケティング業界に従事するマーケティング担当者や営業担当者が一堂に集まり、ビジネスに必要なマーケティングの新潮流を学びます。「INBOUND 2018」は2018年9月4日から7日に開催され、例年通り多くの新機能の発表や各種セッションが行われました。

 本連載でもご紹介しているように、日本市場では「MAツール」というカテゴリーの中で認知されているHubSpotですが、アップデートを重ねた結果、もはやマーケティングツールの枠組みだけでは語れないような変貌を遂げています。

マーケティングから営業まで、3つの機能と新フレームワーク

 前回「御社にもできる営業改革、効率化の余地を発見する5つの質問」でも紹介した通り、HubSpotは無料で利用できるCRM(顧客管理システム)を中心に、マーケティングをサポートするMarketing Hub(MAの機能)、営業活動をサポートするSales Hub(SFA、営業支援システム)、顧客との関係を深めサポートするService Hubで構成されます。

 INBOUND 2018ではこれらの機能を以下の3つの目的に落とし込んだ「フライホイール」というフレームワークが発表されました。

  • Attract:ユーザーを引きつけるようなコンテンツ戦略を基にオウンドメディアに誘導する
  • Engage:オウンドメディアへ到達したユーザーとのエンゲージメントを深め、顧客化する
  • Delight:顧客となった後も満足してもらい、未知のユーザーに推薦してもらう

 マーケティングで集めたリードに対し、どう営業をかけて顧客化するのか。顧客化したユーザーの継続率をどう上げていくのか、解約を防ぐコミュニケーションはどう行うのか。マーケティング施策の効果を最大化するには、どれか1つの機能の活用ではなく、3つ全て動き続けることで最もパワフルな結果が得られるという考え方です。

フライホイール
INBOUND 2018で登場したフレームワーク「フライホイール」

 このように、マーケティングの機能からスタートしたHubSpotは進化をし続けてきました。これはHubSpotに限ったことではなく、例えば営業支援の機能(SFA)中心だったサービスがマーケティングの機能を強化する、またはマーケティングツールと協業して機能連携を強めるなど進化し続けています。ツールの進化が物語るように、もはや、マーケティング機能のみ、営業機能のみの枠組みでだけで企業のマーケティングの課題解決を図るのは困難な時代となっています。

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