YouTube「TrueView動画広告」でスキップされない仕掛け:成功する動画広告、メディア別の傾向と対策(1/2 ページ)
プロモーション施策において動画を使い始めたものの効果が感じられないと悩むマーケティング担当者に向け、成功のポイントを解説します。
一口に動画広告といっても、その種類は多岐にわたります。プロモーションの目的や商材によって、活用すべき媒体にも、クリエイティブ制作の手法にもさまざまな選択肢があり、何を選ぶかによって効果は大きく異なるものです。そこを意識できている方は、まだ多くないように感じます。
重要なのはまず、さまざまな広告商品の特性を良く知ること。そこで、この連載では、主要な広告掲載媒体(配信枠)別に、期待できる効果やクリエイティブ制作のポイントを解説します。
第1回はYouTubeの「TrueView動画広告」について解説します。YouTubeの広告配信枠には大きく分けてTrueView動画広告と「バンパー広告」「アウトストリーム広告」の3種類ありますが、主流となるのはTrueView動画広告です。TrueView動画広告はさらに「TrueViewインストリーム広告」と検索結果や関連動画横に表示される「TrueView ディスカバリー広告」に分かれますが、今回は便宜上、前者のTrueViewインストリーム広告に絞って解説します。
インストリームで配信される意義
インストリームとは文字通り、動画の流れ(ストリーム)に動画広告を差し込むことで、他の動画の視聴前(プレロール)、視聴中(ミッドロール)、視聴後(ポストロール)に同じ画面でそのまま広告を流せる仕組みです(今回は視聴前に動画広告が表示されることを前提に話を進めます)。
その他のほとんどのSNS(Facebook、Instagram、Twitterなど)においては、フィードに表示されるコンテンツとコンテンツの間に広告が出てくるインフィード形式の動画広告が主流であり、興味がなければどんどん画面をスクロールされてしまいます。一方で、YouTubeの場合は読み飛ばされることなく、最初の5秒は必ず見られる仕組みとなっています。
また、視聴者の態勢にも大きな違いがあります。他のSNSにおいては、フォローしている友達や有名人の投稿が続々とフィードされてきます。これらは、わずかな隙間時間にサッと確認する人が多いと思います。そうした使い方をする人に動画を見る態勢になってもらうには、まず画面をスクロールする手を止めさせて視聴者を引き込む必要性があります。
一方でYouTubeの視聴者はあらかじめ動画を見るという態勢が出来上がっています。また、自分が見たい動画の前に広告が流れることについても理解はしているでしょう。このマインドセットの違いは、動画の作り方の違いにも関わってきます。
TrueView動画広告で期待できる効果
TrueView動画広告は、動画を最後まで視聴してもらい、会社やサービスのブランディングにつなげていくという目的にマッチしています。また、YouTubeでは実際のブランドリフトを測るサービスも提供しています。
先述の通り、YouTubeの視聴者は動画を見るという態勢が出来上がっています。故に、最初に結論を持ってくる必要はありませんが、5秒後にスキップされないようにするには、その先にオチを期待させるようなストーリー構成にする必要がありますが、ここを乗り越えれば、最後まで動画を視聴してもらえる可能性が格段に上がります。その辺を踏まえた上で、以下の動画を再生してみてください。
こちらは、ジャパンネット銀行が若年層への認知度UPのために展開したTrueView動画広告です。「はじめてのネット銀行 ジャパンネット銀行」をテーマとし、10代後半から20代前半の若年層に向けたPR活動の一環で、当社プルークスが制作しました。累計再生回数が300万回を突破するなど、成功事例と言っていいかと思いますが、具体的にはどのような仕掛けが隠されているのでしょうか。
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