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Oracle、IBM、Adobeが語るデジタルマーケティングの新潮流マーケティングプラットフォーム主要3社が勢ぞろい(1/2 ページ)

主要マーケティングツールベンダーは現在のマーケティングトレンドをどう見ているのか。「Japan IT Week 秋」の講演のポイントを紹介する。

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 2017年11月9日、「Japan IT Week 秋」の特別講演に「デジタルマーケティング最新動向」と題し、日本オラクル、日本アイ・ビー・エム 、アドビ システムズの幹部が登壇した。

 マーケター向けにテクノロジーを提供する主要ベンダーである3社の講演で浮き彫りになったのは、現代のマーケティングでは、「アートとサイエンスの融合」「顧客を理解した質の高い体験の提供」「データと顧客インサイトを得るためのデータ基盤」の重要性が高まっていることだ。

 Oracleはデータベース、IBMはメインフレームコンピュータ、Adobeはクリエイター向けアプリケーションと、出自を異にしながらも、それぞれがビジネスを発展させる中で同じ領域で競合し、同じ課題に向き合っている点は興味深い。

 各社が考えるこれからのマーケティング、そしてそれを動かす注目のテクノロジーとは何かを探る。


セールスとマーケティングが融合する「Smarketing」が現実化


チャールズ・ニキエル氏

 まず「デジタルマーケティング成功への道のり」と題したセッションで登壇したのが、日本オラクル 常務執行役員 マーケティング本部長 チャールズ・ニキエル氏だ。

 『The Economist』は2014年に「セールスとマーケティングは3年以内に融合する」と予測している。ちょうど3年が経過した現在、マーケティングがビジネスに求められる役割はますます大きくなり、この予測は現実化しつつある。ニキエル氏は、B2C市場においてデジタルが消費者の行動に大きな変化をもたらしている事実を踏まえ、その変化がB2Bの市場にも波及しようとしていると述べた。

 ニキエル氏は、新しい時代のマーケティングは「アート」「サイエンス」「ビジネス」の三拍子が揃わないといけないと語る。優れた表現(クリエイティブ)を作ることと、さまざまなデータを分析することに加えて、マーケティングが予算に対してどんなリターンを得たかを経営に説明することを要求される場面が増えているというのだ。

 マーケティングがアートだった時代には、広告のリーチや頻度が重視された。続いてサイエンスに注目が集まると、見込み客の獲得や売り上げなど、リーチよりもコンバージョン重視に変化した。そして今後のKPIの本命は、キャンペーンに投じた金額に対するリターンがいくらになったかを表すROIになるとニキエル氏は語る。数年前までのマーケターであれば全体のROIを気にすることは少なかったかもしれない。だが、今後はビジネスにどれだけ貢献したかを問われるようになる。セールス部門とマーケティング部門はKPIを共通化し、両者の融合が進むというのだ。

 セールスとマーケティングが融合した「Smarketing」という概念が認知されつつある。成長を担う「Chief Growth Officer」を設置し、マーケティングとセールス両方を統括する企業も登場している。2つのプロセスの統合を進めたハイネケンやコカ・コーラなどでは、実際にROIが増大し、業績も向上している。

 KPIを共通化するということは、マーケティングとセールスが同じテクノロジープラットフォームを使い、必要に応じてデータにアクセスできるということでもある。今はB2C企業に多いが、徐々にB2B企業でも同じようにプロセスの統合を進める企業が増えてくるだろうとニキエル氏は考えている。

 ニキエル氏は、「マーケティングは、企業に変わって自社のことを顧客自身が語ってくれるようになる状態をゴールとして設定すべき」と提案する。デジタルでもリアルでも、常に一貫したメッセージを発信することがまず大事だが、のみならず顧客にストーリーを語ってもらうため自らが「ソートリーダーシップ」を発揮すべきだというのだ。

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