「広告効果」と「獲得」のバランスをどうする?――モバイルアプリ広告配信におけるマーケターの役割:【連載】脱CPI至上主義のモバイルアプリ広告入門 第2回(1/2 ページ)
現在の広告パフォーマンスがどのような状態なのかを測る指標が、ROAS(Return on Ad Spend)です。今回は、この指標を使って広告効果を最大・最適化するにはどうすればいいかを紹介します。
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モバイルアプリのプロモーションを担うマーケティング担当者がフォーカスすべきことの1つとして、「CPI(Cost Per Install:インストール当たりの単価)やROAS(Return on Ad Spend:広告費用対効果)などの目標値と獲得ボリュームのバランス」があるかと思います。
CPI目標を抑えることやROAS目標を高めることだけを極端に行うと、当然獲得ボリュームは減ります。詳細なターゲティングをすれば一時的に費用対効果の高い配信になることもありますが、一定量の新規顧客を継続的に得ることが難しく、いつか「枯れる」現象に直面してしまいます。そうなると「ボリュームを確保するためにターゲットを広げる」という本末転倒なことになってしまいがちです。
では、どのように広告効果とボリュームのバランスを取っていけばいいのでしょうか。
第1に目標を明確かつ現実的なものにするため、以下の要素を具体的にする必要があります。
- 時期(いつまでに)
- 指標(何を)
- 目標数値(どれくらい)
- 予算(取れるリスク)
例えば「ユーザー数を増やしたい」という目標があったとしましょう。この場合、リテンション(継続率)とCPIの両方の最適化が鍵になります。リテンション目標を達成しながら獲得できるインストール数を媒体別に把握し、プロモーション全体の目標と照らし合わせながら効率よくユーザーを増やせるように目標を設定するとよいかと思います。
目標数値や予算は過去の実績や初期の運用実績から現実的であるかを判断して決め、その後は実際のパフォーマンスを見ながら各媒体の担当者と相談して適宜ジャッジしていくのがよいでしょう。
また、ROAS達成が目標であれば、より話はシンプルになります。ROASの高い媒体や配信面に多く配信し、ROASの低いものの配信量を落とせば、当然ながら、結果的に目標に近づきます。
しかし、そこから先の運用には戦略と判断が必要で、特にROASが100%を超える場合がそれに当たります。例えば下記のような場合、どちらが適しているでしょうか。
ROAS目標 | 広告予算 | 利益 |
---|---|---|
150% | 200万円 | 100万円 |
120% | 2000万円 | 400万円 |
ROAS目標150%を目指すと、全体のボリュームは200万円分の配信と100万円の利益となり、一方目標を緩めて120%を目指すと2000万円分の配信と400万円の利益を上げることが可能です。
このような場合には、マーケターは取れるリスクと望むリターンのバランスを見極め、適切な判断をすることが求められます。
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