シェアするビジネスが急成長、2018年度には市場規模462億円に:週刊「調査のチカラ」
車にファッション、家やオフィスまで、何でもシェアする時代。それを後押しするビジネスも急成長中。今週気になった5本の調査を紹介します。
ニュースの裏に調査あり。流行のコミュニケーションツールからビジネスの新潮流、国民の健康増進にまつわる啓発運動まで、気になるトピックには好奇心をくすぐる調査データがセットになっていることが多いもの。「調査のチカラ」は、数多くの有益な調査を探しやすい形にまとめた情報源の鉱脈です。ストックされたリンクは7万本超。
今回はこちらの5本の調査を取り上げます。
注目の調査
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LINEの公式アカウント、「追加したことがある」が6割
MMDLaboが運営するMMD研究所とコロプラが提供するスマートフォン向けインターネットリサーチサービス「スマートアンサー」が「企業の公式アプリ・LINE公式アカウントに関する調査」を共同で実施。スマートフォンを所有する1580人を対象に、企業やブランド、ショップなどの公式アカウントをフォローしているSNSについて調べました。その結果、最も多かったのはTwitterで31.7%、Facebookが18.9%、Instagramが8.9%でした。一方でLINEの公式アカウントについて聞いたところ、「追加したことがある」が61.6%を占めました。追加したことがあるアカウントのカテゴリで最も多かったのは「ファッション」で42.2%。グルメ・フードが37.5%でそれに続きます。LINE公式アカウントの割引クーポンは38.2%が利用経験あり。割引クーポン目的で公式アカウントを追加したことがある人も48.2%に上ります。また、公式アカウントを追加したきっかけは「LINE内のお知らせから」が47.7%と最も多く、次いで「友人から送られてきたスタンプで知った」が19.5%。そして、追加した目的は「スタンプが欲しかったから」が実に55.1%。スタンプが新しいお客さまを連れてくるのが今どき風なのでしょうか。
あの資格に強い大学は?
『週刊東洋経済 臨時増刊 本当に強い大学2015』において、「資格に強い大学」を調査しています。これによると、2014年度の医師国家試験合格者数トップは自治医科大学で111人。順天堂大学が110人、浜松医科大学が106人で、合格率は3校ともに99.1%でトップでした。一方、歯科医師国家試験合格者数トップは東京歯科大学の115人(合格率93.5%)。看護師の合格者数トップは順天堂大学で199人(同99.5%)。保健師の合格者トップは順天堂大(205人)、薬剤師は東京薬科大学(396人)、診療放射線技師は帝京大(103人)がトップでした。警察官は日本大学が172人とトップで、次いで国士舘大学、近畿大学と続くそうです。数では劣るものの目を引いたのが、法学部の単科大学である日本文化大学。就職した61人のうち33.3%が警察官になるとのことです。「資格に強い」は大学のブランディングにとって大きな強みになるのかもしれません。
祖父母と孫、今どきの関わり方
敬老の日を前に、0〜12歳の子どもを持つ親800人に「祖父母と孫の関わり方に関する意識調査」をバンダイが実施しています。祖父母と孫が一緒にする遊びの第1位は「散歩」で、祖父は「公園で遊ぶ」などの外遊び、祖母は「絵本、本を読む」などの室内遊びが多いようです。祖父母の呼び方は「じいじ・ばあば」が最多。「おじいちゃん・おばあちゃん」がそれに続きます。祖父母から孫への教育関連費用の援助を受けている家庭は27.6%。祖父母から援助を受けている年間の教育関連費用の平均金額は13万3135円で、「1万〜4万9999円」が36.9%と最も多く、最高金額は300万円でした。教育関連費用の具体的な内容は「図鑑・本」(37.4%)、「入学・転入学・編入学などに必要となった費用」(21.5%)、「学資保険」(16.4%)、「入学金・入園料」(13.1%)、「教材などの学用品費」(12.6%)など。実際にはこれにお年玉だの妖怪だのが加わってさらに出費は膨らみそう。ご苦労さまです。
シェアリングエコノミー(共有経済)市場が急成長中
矢野経済研究所の調査です。シェアリングエコノミーとは、シェアハウスやシェアオフィス、カーシェアリングなどのように、モノやスペースなどを不特定多数の人々とインターネットを介して共有するサービスを指します。共有されるのは人(クラウドソーシング)やお金(クラウドファンディング)の場合もあります。調査によると、2014年度の国内シェアリングエコノミー市場規模は232億7600万円(サービス提供事業者の売上高ベース)。2015年度は旅館業法の特例施行により宿泊マッチングサービスの利用者が増加しており、株式投資型クラウドファンディングの解禁やファッションシェアリングサービスの登場など、国内シェアリングエコノミー市場規模は前年度比124.6%となる290億円となる見込みだそうです。さらに2016年度から2018年度は訪日外国人観光客の増加もあってシェアリングサービスへのニーズがますます高まる見通し。国内のシェアリングエコノミー市場規模は2014年度から2018年度までの年平均成長率(CAGR)が18.7%と堅調な推移を示し、2018年度の同市場規模は462億円になると予測しています。
日本人が最もよく食べる野菜はアレだった
厚生労働省の調査。同省では毎年9月を「食生活改善普及運動月間」と定めており、2015年は「毎日プラス1皿の野菜」をテーマに掲げ啓発活動を行っています。これにちなみ、国民健康・栄養調査のデータを解析し、日本人の野菜摂取状況を可視化。これによると、日本人が最もよく食べる野菜1位は「だいこん」でした。煮てよし、刻んで生で食べてよし、すりおろして焼き魚に添えたり鍋物に添えたりと、使い勝手の良さが消費増につながった形でしょうか。2位以下には「たまねぎ」「キャベツ」「白菜」「にんじん」「ほうれん草」「トマト」「きゅうり」「かぼちゃ」「レタス」などが続きました。なお、苦手な人が多いイメージのある「ピーマン」は14位。「ごぼう」「なす」「こまつな」より上位というのは大健闘のような気もしないではありません。
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