CRMのトレンドはどこへ向かうのか?:CRMを巡る5つのトレンド
2013年も、すでに四半期が過ぎた。マーケティングの世界では、昨年に引き続き、ビッグデータやソーシャルメディア活用が注目されているが、ここで一度、基本に立ち返り、CRM(Customer Reationship Management)についての今年のトレンドを押さえておこう。
2013年初頭、Enterprise Apps Todayに掲載された記事“Top5 CRM Trends for 2013”では、
- 「360度顧客視点」の進化
- ビジネスインテリジェンスとの相互接続
- BYODによるモバイルCRMの進化
- セールスマネージャーの支援強化
- モバイルCRMの統合
という5つのトレンドが来ると予想している。こう答えるのは、米調査会社Ovrum社、CRMソリューションを提供するSage CRM Solutions社、クラウドサービス事業を展開するCallidusCloud社などの経営陣だ。もっといえば、(1)と(2)はほぼ同じ意味であり、また(3)と(5)もトレンドの流れとしては同じ方向を向いている。早くいえば、「ビジネスインテリジェンス(分析)分野との統合」「モバイル化」により、「セールスマネージャーの支援強化」を目指す流れが加速するといことだ。
「CRM」の関連記事
- SMB市場のマーケティング救世主となる「BDA」とは?(ITmedia マーケティング)
- アプリ導入前にエンドユーザーが理解すべきCRMの基礎(TechTarget)
- CRM運用はマーケティング部門が先導しなければ成功しない(TechTarget)
Ovrum社の主席CRMアナリストのジェレミー・コックス氏は、「これまで神話化していた“360度の顧客視点”というのは、事実上どのベンダも提供できていなかった。これが再び注目されてきたのは、経営レベルの顧客経験管理(Customer Experience Management:CEM)を試行錯誤した結果、市場の動きや顧客の行動を理解をより深められるようになってきたから。ただし、従来のCRMベンダが言っていたような『単一システムで360度の顧客視点を実現する』というものとは決定的な違いがあり、リアルタイム分析やビジネスインテリジェンス(BI)と連携して実現するもの」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日本オラクル、情報技術センターにクラウド型CRM「Oracle Fusion CRM」を導入――営業プロセスの効率化と生産性向上を目指す
日本オラクルは3月29日、システム設計/構築サービス事業を展開する株式会社情報技術センターに「Oracle Fusion CRM」を導入したと発表した。 - 第2回 「売り上げに直結させる」ためのマーケティングデータ管理
集めたリードは果たして営業が使える形で管理されているだろうか? リードが使われる意味を考えれば、収集段階で行うことは自ずと明らかになる。効率的な管理を前提としたリードの取得方法と管理ノウハウを考える。 - 第5回 「売るしくみ」と「売れるしくみ」は何が違うのか
「売れるしくみ」とは、受注に至るまでに顧客に対する共感や納得感/信頼感を高めていくことを重視する「農耕型マーケティング」の考え方のことなのである。 - ECサイトを通じた購買促進やブランディングを支援 日本オラクル
日本オラクルはECコマース製品「ATG」の機能強化を図り、同製品の拡販を進める。Webサイトを活用した販売促進や商品のブランディングに注目する企業が増えての取り組みという。 - SMB市場のマーケティング救世主となる「BDA」とは?
日本国内ではまだ言及されることが少ない「BDA」。Big Data Applicationの略で、大量データの収集/分析機能をSaaS形式で提供するアプリケーションだ。CRMやERP、BI関連のニュースを提供する「Enterprise Apps Today」では3月26日、マーケターにとって大きな価値をもたらすアプリケーションとして、BDAに注目しているという記事を掲載した。