第2回 デジタルシフトでマーケティングの何が変わったのか?:【連載】デジタルの時代にマーケターが知るべきこと(1/2 ページ)
現在のマーケターが業務上必要とする知識やスキルは数年前とはかなり異なる。マーケティングを取り巻く状況はデジタルにシフトした。いまや、マーケターとはデジタルマーケターにほかならない。
企業のマーケターが現場からお伝えするこの連載、第1回(統計データから紐解くマーケティングの「デジタルシフト」)では顧客、そして企業のコミュニケーションの場がデジタルにシフトをしていることを各種統計データから見てきました。
第2回では、そういった状況から企業のマーケティング、そしてマーケターがどう変わっていかなければいけないのか、「手法」「戦術」の話からではなく、もう少し上のレイヤーからみていきたいと思います。
なお、ここでお話する「マーケティング」という言葉については、企業/担当者によってさまざまな意味があると思いますが、今回は「コミュニケーション」の領域を中心に考えて話をしてみたいと思います。
デジタルによって変わる3つの大きな変化
デジタルに移行することで変わるマーケティングの変化について、大きくまとめると下記の3つの側面があると思います。
- 伝える側の変化:デジタル、オンラインだからできる表現と接点の拡大
- 知る側の変化:各活動とお客さまの反応をきちんと「データ」として取得/計測して、評価が可能になった
- ターゲティング/最適化:内外で取得したデータを元に表現やアプローチを改善/最適化が可能になった
まずは1つずついくつかの例を挙げながら見てみましょう。
1. 伝える側の変化について
デジタルでできるようになったことについて、いくつか例を挙げると、
- Webサイト、各種広告での動的な表現
- 電子書籍、アプリ、スマホ、新たなデバイス/チャネルでのコミュニケーション
- 自社サイトだけではなく、外部サイト、ソーシャルメディアでのコミュニケーション
など挙げればキリがないほど出てくるかと思います。
ただ、ここで重要なのは流行りや担当者の好みではなく、お客さまが存在し、伝えなければいけないことを表現することではないでしょうか。
2. 知る側の変化について
旧来のメディアでも、リサーチなどの手法を使い、間接的にお客さまの反応情報を取得することはできましたが、デジタルの世界では、リアルタイムで直接の反応を取得することが可能になりました。
- サイト解析などを使って、自社サイトでのお客さまの反応を知る
- 広告の解析:クリックスルー/ビュースルー、アトリビューション分析など
- 大きなところではビッグデータの活用、ビジネスアナリティクス
また、これらの情報をクライアント側が取得し、分析できるようになったことは大きな変化と言えます。
3. ターゲティング/最適化について
外部/内部で取得した情報を元に、従来は1つの塊として届けていた情報を、よりセグメント化されたお客さまに届けることができるようになりました。
- メディア側の行動ターゲティング、コンテンツターゲティング、リターゲティング
- レコメンデーション、パーソナライゼーションなど自社サイト内での個々のお客さまに合わせたコミュニケーション
また、これらの情報を元にコミュニケーションを最適化していくことが可能となりました。
- クリック、コンバージョンなどの反応を元にしたメディアとメッセージの最適化
- ビュースルー、アトリビューションなどによるメディアの全体最適化
- Web解析データを元にした自社サイトの最適化
現場で本当のお客さまの反応を元に、リサーチ/テスト/最適化というPDCAが高速で回せるようになったということが大きな変化です。
以上のような施策が実施できる(業務)範囲は非常に広く、みなさまもそれぞれ取り組まれていることは多いかと思いますが、果たして、3つをバランス良く考えて実施できているでしょうか? また、これらのベネフィットをきちんと社内、特に経営層に本当に理解していただいているでしょうか?
海外のリサーチですが、非常に興味深いデータがあります。
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