検索
ニュース

第1回 ここからはじめるオウンドメディア【連載】オウンドメディアコミュニケーション 成功の法則21(5/5 ページ)

自社サイトをマーケティングコミュニケーションのHUBにしたいけれど、さて、どこから手をつけたらいいのか……。そんなマーケターの悩みに答える新連載。「オウンドメディアコミュニケーション 成功の法則21」(ソフトバンククリエイティブ)を再編集してお届けする。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

成功の法則4. 誰とコミュニケーションしたいのかを考える

コミュニケーションする相手は誰ですか

 オウンドメディアコミュニケーション戦略を検討する上で、すべての基本であり原点は、「誰とコミュニケーションするかを考えること」にあります。企業がコミュニケーションする相手は「人(生活者)」です。企業は「人(生活者)」とコミュニケーションをする際に、さまざまな手段や手法を選択することになります。いずれもその企業のステークホルダーである「人(生活者)」に対して、企業の「思い」を知っていただき、そして「好き」になってもらうことで、ビジネスアクションを誘発することがコミュニケーションにおける大きな目標の1つであると思います。

 インターネット上に存在するオウンドメディアを介したコミュニケーションといっても、主役はバーチャルな相手ではなく、リアルな「人(生活者)」であることは間違いありません。「人(生活者)」である以上、そこには気持ちがあり、価値観や思いに基づく行動があります。しかしながら、その「人(生活者)」がコミュニケーション相手であることを軽視していたり、もしくはその意識が低いという状態で、トレンドやテクノロジーの追求に走ってしまい、生活者とのコミュニケーションロスに陥っているオウンドメディアを多く目にします。インターネットにおけるテクノロジーやツールなどは、1つの道具にすぎません。道具はコミュニケーションをよりスムーズにするための手段の1つであって、コミュニケーションを起こす「きっかけ」ではないのです。コミュニケーションは、そのWebサイトに人の「思い」が宿った企画やコンテンツによって構成されるのです。コミュニケーションする相手は誰なのか。改めて見直すことが必要です。

生活者とのコミュニケーションゴールを考える

 コミュニケーションゴールを考える最初のステップは、「誰とコミュニケーションしたいのか」を検討することです。企業が生活者とのコミュニケーションにおいて、両者を繋ぐHUBとして重要な役割を果たすオウンドメディアは、商品/サービス情報を手にしたい生活者、法人向けサービスソリューションを検討している法人顧客、投資対象として考えている個人/機関投資家、就職を考えている学生など、多くのステークホルダーを相手にコミュニケーションするメディアであることが求められます。しかも企業としての唯一の公式Webサイトという特性上、各ステークホルダーへの情報発信内容に優先順位を持つことが難しく、結果的にはカタログのような均質情報をすべてのステークホルダーに平等に発信しなくてはならず、画一的なWebサイトになってしまうケースが散見されます。

 しかし、本来オウンドメディアに求められるのは、すべてのステークホルダーに均質的に情報を発信することではありません。すべてのユーザーがWebサイトから等しく情報を取得することはなく、企業の発信情報をさまざまなポータルサイトやソーシャルメディア、そして現場からも得ているのです。コミュニケーションターゲットとなるユーザーの特性を捉え、その相手の求める情報(コンテンツ)を用意し、伝わる表現方法を持って届けることが必要となります。

 また、インターネット上のコミュニケーションにおいてもう1点押さえておくべきポイントがあります。それはインターネット上のメディアであるという点にあります。

 本連載で言うオウンドメディアは、インターネット上にあるメディアです。そこへアクセスするには、パソコンやインターネットに接続できるさまざまなデバイスを介すことが必要です。ユーザーが情報を取得する際にはそれらのデバイスを「操作」しなくてはなりません。この「操作」を伴うのが、インターネット上にあるメディアの特性と言えます。

 「操作」は、ユーザーがWebサイトから情報を引き出すために必ず必要な能動的アクションであり、情報を見つけ出そうとするユーザーの「意思」と、その意思に伴った「操作」によって情報が取得されるという「結果」が伴うものです。 このように、インターネット上にあるメディアだからこそ配慮すべきことを押さえつつ、コミュニケーションゴールを設定することが必要です。

 さて、コミュニケーションしたい相手は明確になりました。次回は、こうしたターゲットとの具体的なコミュニケーションシナリオについて考えていきましょう。

寄稿者プロフィール

photo

トライベック・ストラテジー 取締役COO 後藤洋 慶應義塾大学法学部卒。ソフトバンクにて出版広告営業や新規事業開発におけるマーケティングに従事。2002年よりトライベック・ストラテジーに参画。IT、商社、医薬、飲料、金融、エンタテインメント、アパレルなど大企業の多岐に渡るプロジェクトのコンサルティングに従事。現在、取締役COOとして、コミュニケーション分野、デジタルマーケティング分野において、多くの講演、寄稿を手掛ける傍ら、内閣官房国家戦略室のプロジェクトである「国家戦略Webコミュニケーション検討チーム」にコンサルタントして参画している。

photo

株式会社 電通 プロデューサー 福山一樹 慶應義塾大学経済学部卒業後、電通に入社。同社クリエーティブ部門にてCMプランナー、コピーライターとしてTVCM、新聞/雑誌広告、ラジオCMを制作。その後、営業部門にて飲料、アパレル、自動車などの業界を担当。2009年4月よりインターネット部門にて現職。エネルギー、運送、製薬、食品などの業界で主にコーポレートサイトを中心とした大規模プロジェクトに従事。

連載バックナンバーはこちら⇒【連載】オウンドメディアコミュニケーション 成功の法則21


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る