グッド・マーケター志望者に贈る“引き算思考”:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
「ハッとする企画なのに理解されない」「なぜかプレゼンを突破できない」と悩んでいるマーケターは少なくないだろう。筆者は2つの人間タイプを理解すれば、“グッド・マーケター”になれるかもしれないとアドバイスする。
あなたはAタイプ? それともBタイプ?
私からの返信。
「たいていのSEはAタイプでしょう。『ヒトの行動は分析理解するもんだ』と考えて、事象をツリーにしたりマッピングします。それを彼らは構造化と呼びますが、『人はこうすべきだ』という態度がマーケティングぽくないんですね。私は“神様視点”と呼んでいます」
Kさんからの返信。
「引き算ってストンときました。正当派のマーケターって、頭は切れるけど自信満々族で中身のないバズワーズを連発して、『日和見主義であまりお友達にはなりたくないタイプ?』と思っていましたけれど(笑)」
間違ってません(笑)。マーケターの理想形は「日和見に思考を切替えて、相手に分かるバズワードをその歩みを読み切って出す」。だからこそ顧客視点、マーケティングは“引き算”なのである。
神様視点と日和見視点、さてあなたはどちら?
グッド・マーケターはBタイプ
どちらであろうと、グッド・マーケターでありたいならBタイプしかない。
マーケターに限らない。できる営業マンは売れたあとのお客さまの状態から組み立てる。売れる本は読者の知りたい・なりたいツボから組み立てる。何を隠そう、世の成功者はほとんどはBタイプ。Aタイプに見えるカリスマも、ひと皮むけば徹頭徹尾、Bタイプなのである。
つまり、あなたが自分を成功者未満だと感じるなら、あなたはAタイプということだ。私の見立てでは、一般的にAタイプが多数派だ。さらに悪いニュースだが、AタイプもBタイプも天然である。天然を変えるには、右利きを左利きにするようなものだからひと苦労いる。相当意識しないと難しい。それでもBタイプの思考を入れないと成功はおぼつかないので、1つヒントを挙げておく。
“自分の本性”を列挙しよう。自分を裸にしたらどんな成分でできているのか? 男なら性欲、自尊心、金欲、食欲……そんなところだろうか。みんなそこに向かって生きていることを、叩き込んでおこう。“顧客ニーズ”とか“ウォンツ”とか洒落た言葉は捨てて、人間の本性を分析することから始めよう。
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