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Webが世界レベルにならないと勝てない【後編】世界で勝つ 強い日本企業のつくり方(2/2 ページ)

日本を代表するアパレルブランドのユニクロを支えるのは、UNIQLOCKをはじめとする数々のWebブランディング戦略だ。世界的なアパレル産業を目指すにはWebサイトも世界レベルに、という信条を持つ勝部健太郎クリエイティブ・マネジメントディレクターに海外進出とWebの関連性を聞いた。

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ITmedia 企業のグローバル展開で成功するWeb戦略はどのようなものでしょうか。

勝部 1つ言えるのは、Webはテレビや新聞を使ってブランディングをするというやり方より、企業の価値を世界規模で伝えやすいということです。多額の資金をつぎ込んだブランディングも1つの戦略として有効ですが、Webを通じた戦略を作っていくほうが面白い。

 例えば「FR(ファーストリテイリング)60周年記念キャンペーン」では、店舗を朝6時に開店させ、商品を売りました。またクリックするとオンラインくじに変わるブログパーツの提供や、Twitterによるタイムセールの告知も行いました。PRとWeb、そして商品などの強いファクト(実体)が絡み合うことで、大きな反響が得られます。(マスメディアを使わない)こういった取り組みが、Web戦略においてエクセレントだと思うのです。

 「次世代コミュニケーション」のような型を作って、継続してヒットを出せるようになれば、マスメディアに依存しない真にグローバルなコミュニケーションが実現します。Webについて、(国内企業では)経営者の理解が進んでいるとは言えません。世界でエクセレントカンパニーと呼ばれる企業でさえも、Web戦略はまだまだという印象です。

 Webで情報を流通させた状態で、商品や店舗などのファクトを届けるというコンビネーションがブランディングに最も生きてくるのです。

ITmedia ユニクロの数々のWebプロジェクトを世に出してきた中で、最も大切にしていることは何ですか。

勝部 企画の大元を考え抜くことです。何が伝えたいのかを一言で言えるくらいシンプルにして、Webという表現に落とし込む。利用者がWebコンテンツを見た瞬間に思わず驚いてしまうようなものを作り、それが広がるための導線を敷いておく。Webで情報を伝える力は、企画、Webコンテンツ、流通経路のかけ算で現れてきます。

 UNIQLO CALENDARも完成までに約1年かかりました。途中でプロジェクトをやめようと思ったこともありましたが、徹底的に試行錯誤して(コンセプトやコンテンツの内容を)考えました。中途半端なものをやるくらいなら、やらない方がいいと考えています。


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