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商品の質こそがキラーファクターになるキラーウェブを創る(5) オイシックス(1/5 ページ)

ECサイトで稼ぎ出すキラーウェブを生み出すためには、商品の質に徹底的にこだわり抜く姿勢が求められる。ユーザーがどうすれば満足するかという視点が不可欠で、「自社満足」にとどまっていてはいけない。

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キラーウェブを創る

ライバルがひしめくネットの世界を生き残っていくには、Webサイトを「キラーウェブ」に育て上げる必要がある。キラーウェブとは、何らかの要素で「一番」を持ち、それがユーザーに支持されているWebサイトのことを指す。本連載では、ECサイトを成功に導いた企業の試行錯誤を基に、勝ちパターンを探っていく。

バックナンバー

(1)キラーウェブでなければ生き残れない

(2)ありふれた商品でもカテゴリーキラーになれる(ケンコーコム)

(3)「言葉の市場」を攻略するニッチターゲティング(ネットオフ)

(4)自社をメディア化する「Web情報武装」の正体(ゴルフダイジェスト・オンライン)

(5)商品の質こそがキラーファクターになる(オイシックス)

(6)Webと実店舗の共食いを超えた先(良品計画)


 日々情報の洪水を浴びているわたしたちにとって、「世界初」というキャッチは別段珍しいことではない。むしろ、手垢の付いた表現という印象を受けるかもしれない。

 特にネットの中は、その手のキャッチで溢れている。どこの誰が求めているサービスなのか首を傾げたくなるものが多く、「言ったもん勝ち」という要素が多分に働いているのだろう。何でもいいから誰もやっていないことをやれば、確かにそう言えるのかもしれない。

 大切なのは、それが市場に受け入れられ、その評価を継続することだ。独りよがりなものではいけない。そんな世界初なら、賞賛に値する。そして、本当に市場に受け入れられる世界初のサービスであれば、そのビジネスのストーリーは、一冊の本が書けるくらいに紆余曲折に満ちているはずだ。気がついたら世界初でした、というのはまずない。散歩の途中にエベレストに登る人はいないのである。

 今回、キラーウェブとして取り上げるのは、食品のネット販売大手のオイシックスだ。同社は、世界中のどこにも成功事例がなかった食品のネットスーパーに着目し、成功を収めた「世界初」のモデルである。かつてユニクロなども進出し、苦汁をなめてきた分野だ。普通に考えれば「そんな分野に進出するなんて」と、反対する意見も多いだろう。

 しかし、ニーズは確実にある。商品とサービスの質を高めれば、やり方次第で成功できる。食品のネットスーパーに限らず、そんな分野は実はたくさんあるのかもしれない。

 多くの消費者は、一番の店に流れる。仮に二位の店舗がなくなったとしたら、三位以下ではなく、一位に吸収される。それがランチェスターの法則で言う「一位集中の原則」だ。「細分化」「深掘り(差別化)」「ニッチな訴求」でナンバーワンを目指すキラーウェブ戦略と、考え方はほとんど同じである。

 オイシックスは「商品のクオリティこそがキラーファクター」として、徹底的に商品の質にこだわる。それと同時に、期待以上の驚きを顧客に与えることを「オイシックスっぽい」と表現するなど、商品とサービスの2つの質を追求してきた。

 世界中の企業が失敗を重ねる分野に参入し、勝つためにオイシックスが取った具体的な戦略とは何だったのか。

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