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リピート顧客を生み出した、きめ細かなメールの力 食品販売オイシックス(後編)EC新進化論(2/2 ページ)

オイシックスはECによって流通業務を省力化しているものの、生産者とじかに接したり、顧客を会社に呼んでモニターマーケティングをするなど、高付加価値を生み出すことに力を入れている。

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今後の展望と課題

 最後に高島社長に、今後のオイシックスの展望について聞いてみた。

――今後の展開についてお聞かせください。

高島 より多く売っていきたいというのはありますが、まだまだ知名度を上げていかなければなりません。一部食品以外のビジネスを始めていますが、この分野ではパートナーと協業できたら面白いだろうなと思っています。例えば、ペットフードにも取り組んでいますが、コーナーのプロデュースは専門の外部の方にやってもらった方がより良くなるはずです。

――食の安全に関して社会の関心は高くなりましたが、そのあたりは感じていますか?

高島 わたしたちにとってはある意味追い風ですが、食の問題はやはりメディアがトレンドだから取り上げているようなところがあります。わたしたちとしては、それにあまり振り回されないで粛々とやっていきたいと思います。


 オイシックスが、今後さらなる拡大を考えていくと、大手が占めている商圏とバッティングをする可能性がある。ECを中心としたモデルがいかに大手の商圏とすみ分けをしていくことができるのか、どのように共存していくのかは注目である。

 中小規模の企業が大手の大量流通と争うのは厳しい。オイシックスが始めたお菓子の専門サイトのように、徹底的にニッチな商品で多様化を図って市場を横に広げていくのも有効な手段であるといえるだろう。

 また、今まで培ってきたECのノウハウは同社の貴重な資産である。今後はそれを他社に対してコンサルティングの形で提供していくことも考えているという。ECに関して一から苦労して経験を積み上げてきたからこそできる機軸として期待される。

取材協力:殿岡良美(ワイズプロジェクト)

プロフィール

林雅也

株式会社ソフトクリエイト EC事業本部本部長

ECサイト構築を行うこと10年、関わったサイトは100を越える。サイトの新規立ち上げから、売上げ向上、効率化など幅広く活動中。


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