「インスタ映え」を超えて広がるInstagram広告のこれから:「Instagram Day」レポート(1/2 ページ)
Instagramの効果的な広告出稿はどうあるべきか。フェイスブックジャパン主催の広告主・マーケター向けイベントで語られたポイントを紹介する。
「インスタ映え」なる言葉が一般化し、若い女性を中心に使われている印象の強いInstagramだが、昨今は幅広いユーザー層に浸透している。「Instagram Stories(以下、ストーリーズ)」などサービス内容も拡張し、特別な一瞬を切り取るだけでなく気軽な日常の投稿へと、ユーザーの使い方が変わりつつあるのだ。
それに伴い、広告商品も多様化している。果たして、その内容はどのようなものか。2017年10月3日、Instagramを傘下に持つFacebookの日本法人であるフェイスブックジャパンは、「Instagram Day」を開催した。ここで語られた内容から、企業のマーケターが知るべきInstagramの広告ビジネスについて、ポイントを探ってみよう。
Instagramにとって日本は特別な市場
今回のInstagram Dayは、日本でInstagramに特化したB2Bイベントとしては2度目の開催となる。この日のために来日したInstagram最高製品責任者のケビン・ウェイル氏は、Instagramの事業における最新のアップデートを報告した。それによると現在、Instagramの月間アクティブ利用者数は全世界で8億人、デイリーアクティブ利用者数(DAU)は5億に達する。また、米国外での利用者数の割合が80%であること、Instagram ストーリーズの利用者数が2億5000万に上ることも明かした。広告主の総数は200万。Instagram利用者の80%が、何らかのビジネスアカウントをフォローしているという。
ウェイル氏は「日本は特別な場所であり重要な成長マーケットの1つである」と強調する。7年前のちょうどこの日、Instagramはサービスを開始した。写真を撮って加工し、友達と共有するという非常にシンプルなアプリだが、感度の高いユーザーからブームに火が付き、今日まで順調に成長を続けている。ウェイル氏は「サービス開始当初、カリフォルニアで夜中になると急激にトラフィックが急増していた。調べてみると日本からのアクセスだった」と述懐する。iPhoneにカメラが付いたときからビジュアルでコミュニケーションする文化が人々に根付き、2015年には2兆以上のコンテンツがInstagramに投稿された。画像や動画がグローバルな言語になっているのだ。
Instagramは気軽な日常を共有する場に
続いてフェイスブックジャパン代表の長谷川 晋氏が登壇し、日本国内の概況を説明した。2017年の日本国内のユーザー数は2000万人。2015年には810万人だったことから、その急成長ぶりがうかがえる。掲げるミッションも「世界のあらゆる瞬間を捉えてシェアしよう」から現在は「体験を共有してつながりを深めよう」に変化した。
同社がカンター・ジャパンに委託して実施した調査によると、Instagramの国内ユーザー数の男女比率は男性39%、女性61%。決して女性だけのものでなくユーザー層の幅は広がっている。また、利用シーンでは「自宅でくつろいでいるとき」に最も多く使われているという。「よく見るコンテンツ」の中では旅行、動物・ペット、スポーツが増加しており、一方で2015年と比較して写真やアート・デザインは減少傾向にある。インスタ映えするハイセンスなクリエイティブだけでなく、誰でも気軽に日常の風景を切り取ったようなコンテンツを投稿できる場として使われるようになっている。
また、広告掲載メディアとしてのInstagramの大きな強みとして、長谷川氏はビジネスアカウントをフォローしているユーザーが80%いることに触れ「企業も今やInstagramのコミュニティーの一員」であると強調した。現在、その業種はコスメやスポーツ、料理、飲食店など多様化している。
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