企業の夏休みが分散化傾向にあるとはいえ、帰省ラッシュや出国ラッシュのニュース映像は今もお盆期間の風物詩ですね。渋滞を抜けて実家に帰り久しぶりに故郷の空を見上げたら、新しい仕事のアイデアも生まれるかもしれません。調査まとめサイト「調査のチカラ」の9万件超のストックから、今回は家族や家、家計といったキーワードで調査データをピックアップしました。
お盆の新風習、認知度は?
お墓で出合うのは火の玉、では「お盆玉(おぼんだま)」って何か分かりますか。ソニー損保では、「お盆の帰省に関する調査」を実施しました。はじめに「今年のお盆休みの日数」を聞いたところ、「5日」が21.3%で最も多く、「3日」(18.6%)や「6日」(12.2%)、「10日以上」(11.0%)と回答が分かれました。平均日数は5.0日。で「6日以上」のお盆休みが取れる人の割合は34.8%と、2013年の調査開始以来最も高くなっています。2017年は8月11日の「山の日」が金曜日になったことで、長期間の休暇が取りやすくなっているようです。続いての質問が冒頭のお盆玉について。、お盆の帰省時に孫や子にお小遣いを渡すという新しい風習のことですが、これについて「知っている」人は37.1%、「あげたことがある」人は8.5%でした。現時点でお盆玉の定着率はいまひとつのようですが、実は江戸時代にも一部地域でこの時期、奉公人に衣服やげたを“お盆小遣い”として渡す習慣があったそうで、それが脈々と受け継がれ、現在の形になったといわれています。なお、全国の郵便局では「お盆玉袋」も販売しています。渡す側にしてみれば出費がかさんで大変な気もしますが、かわいい孫や子の喜ぶ顔はプライスレスということでしょうか。
夏場に売れる意外なアレとは?
オンライン家計簿「Zaim」を運営するZaimは、「夏(7月〜8月)の支出傾向」の分析結果を発表しました。2016年1月1日〜同年12 月 31 日に「Zaim」で入力された支出項目を基に集計しています。分析結果によると、夏の支出のキーワードは「正露丸」「ランドセル」「冷やし中華」。年間の購入ユーザー比率を100%として月別に比較した場合、胃腸薬として知られる「正露丸」は、「7月」が135.94%、「8月」が132.33%と真夏の時期に高くなっています。続いて「ランドセル」は「3月」(146.96%)、「4月」(179.16%)と春が年間で最も高く、5月・6月に一服した数字が、「7月」(141.86%)・「8月」(141.99%)と夏場に第2次ピークを迎えます。近年ランドセル色やデザインが多様化する中、お気に入りのランドセルを早めに手に入れたり、お盆の帰省に合わせて祖父母が購入したりといった背景があるようです。最後に、夏の定番「冷やし中華」は、5月(214.53%)から支出が増え始め、「7月」(302.25%)がピーク、「8月」(241.40%)を境に「9月」(58.41%)以降は一気に支出が減っています。冷やし中華で涼を感じつつ、おなかは冷やし過ぎに注意して、元気に夏を過ごしたいものですね。
「夏の飲みもの」に世代間ギャップ?
日用品流通の情報基盤を運営するプラネットは、「夏をのりきる食べ物・飲み物に関する意識調査」の結果を発表しました。暑い夏に食べたくなる食べもの1位は「そうめん」(64.7%)、2位「冷やし中華」(62.3%)、さらに、4位に「ざるそば」(46.9%)、6位に「冷やしうどん」(35.5%)となり、上位6項目のうち4つを冷たいめん類が占めました。性年代別に見ると、そうめんと冷やし中華はいずれの性年代でも支持され、ほとんどの性年代で2位以内に入った一方、冷奴は男性の60代以上と女性の50代以上では3位以内に入ったものの、それより若い世代では4位以下になり、世代差が出ました。また、夏の果物の代表格「すいか」は男性の60代、70代以上と女性の60代で6位に入ったものの、その他の性年代ではランク外でした。夏によく飲むもの(ビール以外)の1位は「麦茶」(52.0%)、2位「アイスコーヒー、アイスコーヒー飲料」(41.3%)、3位「水(ミネラルウオーター)」(40.9%)の順。性年代別に見ると、ほとんど全ての性年代で麦茶が1位を獲得しました。一方、年代によって分かれたのが水とアイスコーヒー。水は年代が下がるほど順位が上昇し、男性の20代で1位でした。逆にアイスコーヒーは年代につれて順位も高くなっていく傾向が見られ、女性の70代以上で1位になりました。この他、牛乳は男性と女性の60代で5位、女性の70代以上で3位、男性の70代以上では2位にランクインし、男女ともに70代以上では数値も40%を超えるなど、意外にも高齢層の夏の飲みものとして支持されていることが分かりました。
カーテン、この前いつ洗濯しましたか?
真夏の太陽の下、お盆休みは洗濯もはかどる時期かもしれません。リクルートでは「汚れていると思いつつなかなか洗えていないものは?」として、20〜59歳の男女416人にアンケート調査を実施しました。その結果、「なかなか洗えていないもの」の1位は「カーテン」(30.3%)。理由としては、「外すのが面倒」「洗うのが面倒」であることに加えて、「洗っているときに家の中が外から見えると思うと、洗いにくい」という声も寄せられました。2位はスニーカー(20.0%)で、洗う面倒に加え「毎日履くから洗うタイミングがない」「1足しか持ってないので、毎日履いているとなかなか洗えない」といった理由も。3位「布団」(17.3%)と4位「カーペット」(14.9%)、5位「毛布」(10.8%)については、「自宅で洗うには大きくて面倒」「クリーニング代が高い」「クリーニング店になかなか行けない」といった理由が挙がっています。日々を生きる上で避けて通れない洗濯ですが、まだまだイノベーションの余地がありそうです。この夏、たとえカーテンは洗えなくても、お盆休みで心の洗濯くらいはしたいですね。
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