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「導入するも放置」が多数――マーケティングオートメーションを持て余す企業は何を間違えているのか【連載】スモールスタートで成功するマーケティングオートメーション 第1回(1/2 ページ)

せっかくマーケティングオートメーションを導入したのにうまく活用できない企業が少なくありません。成功のコツは「小さく始め、大きく育てる」こと。本連載で具体的な方法を学びましょう。

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 日本企業においてこれまでマーケティングオートメーション(MA)はソフトウェア開発やコンサルティング、製造業といったB2B企業を中心に使われてきましたが、より幅広い業種においても活用されるようになっています。B2Cの領域であっても、不動産業や金融業、教育サービスなど単価が高く検討期間の長い商材を扱う企業においては、成約の確度を高めるためにMAが大きな役割を担うことができるからです。

 しかし、MAのユーザー層が広がる一方で、十分に活用できない企業もまた多くなっています。試行錯誤を重ねても導入の効果がなかなか表れないだけでなく、中には目的を見失ったまま、せっかく導入したMAを全く利用せず放置してしまっている企業さえあるようなのです。

 一体なぜそうなってしまうのか。失敗にはそれぞれ個別の理由もありますが、よくある負けパターンの1つが、マーケティングの活動方針を決める際に、いきなり大きな絵を描いてしまうことです。

 そこで当連載では、MAをしっかりと活用していただくために、「小さく始め、大きく育てる」考え方と手順を解説します。

企業視点ではなく顧客視点でマーケティングを

 MAの導入方法を解説する前にまずお伝えしたいことがあります。それは、企業のマーケティング活動にとって重要なのは、企業側の都合や一方的な考えを顧客や見込み客に押し付けるのではなく、顧客や見込み客の心理状態や行動に合わせて必要な情報提供をすることという大前提です。

 経営者やマーケティング担当者が、企業視点ではなく顧客視点で自分の会社を見ることができるか否か。そこが、企業がMAを有効活用するための大きなポイントになります。

 MAの導入を検討されている企業の担当者に話を聞くと、ツールの機能比較に重点を置いていることが多いように感じます。しかし実際には、各社製品にそれぞれ特徴はあるものの、機能面での違いはそれほど多くはありません。

 そもそもMAはマーケティング活動を支えるためのツールであって、導入するだけで何かを解決してくれるものではありません。だから機能の比較よりもまず、あなたの会社がどのようなマーケティング活動を行うのかという方針を先に決める必要があります。

 ここで大切なのが、「小さく始め、大きく育てる」という考え方です。「全社の最適化」といった大きな目的から始めてしまうと、最初からマーケティングプランは複雑化し、見込み客のセグメントや営業担当者の調整など、組織内での影響範囲が大きくなりコントロールができなくなってしまうケースがあります。1つの部署や製品にマーケティング活動をフォーカスすることで、該当製品の需要や訴求ポイント、ターゲットなどが明確になります。営業担当者との連携もより具体的になるため、早期にMAを活用したマーケティング活動を行えるようになるのです。

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