エクスペリエンス4.0――エクスペリエンスとビッグデータの統合:【連載】キーワードで読む「IoT時代のエクスペリエンス・デザイン」 第2回(1/2 ページ)
顧客の過去・現在・未来のエクスペリエンスは「データ」を媒介にして1本の「時間」の軸で長くつながって行く。全ての産業がサービス業化する時代のマーケティングとはどうあるべきなのか。
『IoT時代のエクスペリエンス・デザイン』について
スターバックスの「The Third Place 」(オフィスでも家庭でもない第3の場所)やディズニーランドの「Where Your Dreams Come True 」(夢がかなう場所)に代表されるように、これまで、エクスペリエンスの提供は体験の「場」にフォーカスしてきました。しかし、いったんIoTが導入されると顧客の過去・現在・未来のエクスペリエンスは「データ」を媒介にして1本の「時間」の軸で長くつながって行きます。そして、このことは全てのインダストリー(産業)がカタチを変えて、サービス業になることを示唆します。顧客のエクスペリエンス、すなわちブランド体験価値が変わりゆく中、マーケターはどうするべきか。エクスペリエンスデザインの専門家と読み解いていきましょう。
※本稿は朝岡崇史著『IoT時代のエクスペリエンス・デザイン』(ファーストプレス)から一部の内容を抜粋・編集して転載しています。
デジタルとの出会いがエクスペリエンスの起源
企業がお客さまに真摯(しんし)に向き合い、お客さまのエクスペリエンスが豊かになる方向でマーケティングプロセスを刷新することによって、新たなイノベーションを起こしたり、事業成果に結び付けていこうとしたりする動きは今に始まったことではない。エクスペリエンスが体系的に理論化され、有力なマーケティングのメソッドとして存在感を示し始めたのは、いつなのであろうか。著者はエクスペリエンスがデジタルと出会った1980年代の後半までさかのぼるべきだと考える。
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