スマートフォンの普及を見越したコンタクトセンターの運営が重要に、アバイア調査:アジアのコンタクトセンター調査
アバイアが発表したアジアのコンタクトセンターでの各種調査で、「日本の消費者が一度のコンタクトでの問題解決を重視している」ことや、「デジタルネイティブ世代は、コンタクトセンターの対応次第では他社サービスを検討する人が多い」ことが分かった。
日本アバイアは11月14日、日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インドの消費者を対象に行った「コンタクトセンターにおける顧客体験調査」の結果を発表した。「スマートフォン導入率の高い国では、電話以外の手段で企業にコンタクトする消費者が多い」など、国や世代ごとの消費者の特徴が明らかになった。
スマートフォン導入率の高い国の消費者は、電話以外の手段で企業にコンタクトすることに積極的
スマートフォンの導入率が高いシンガポールやインドの消費者は、「企業にコンタクトする際、幅広い手段で連絡できると嬉しい」という回答が多かった(インド72%、シンガポール70%)。一方、スマートフォンの導入率が低い日本では上記の回答は28%という結果だった。「インターネットとの親和性が高いスマートフォンを使用する消費者は、電話以外の手段で企業にコンタクトすることに積極的である」と日本アバイアは分析している。
日本の消費者は、1回のコンタクトでの問題解決を重視
「問題解決までに企業にコンタクトする必要があった回数と満足度の関係」についても調査結果が出ている。コンタクト1回目で問題が解決された場合、日本の消費者の満足度は74%だが、4〜5回コンタクトした後は満足度が31%に下がっている。この差は、今回調査した5カ国の平均値(1回目80%、4〜5回目65%)より大きく、日本の消費者は、一度のコンタクトで問題が解決されることを他の国の消費者より重視する傾向にあるといえそうだ。
デジタルネイティブ世代は、コンタクトセンターにおける顧客体験次第で「他社の製品やサービスに乗り換える」
「コンタクトセンターの対応次第で、他社のサービスに乗り換える」と答えた消費者の5カ国の平均値や世代別の割合も発表した。18歳〜35歳は53%がコンタクトセンターの対応に敏感で、36歳〜50歳の36%、51歳〜66歳の24%などと比べて高かった。
これらの調査結果から日本アバイアは「スマートフォンの普及が進む中、今後のコンタクトセンターには、電話、メール、ソーシャルメディア、チャットなど、どのコンタクト手段からの問い合わせにも、スムーズかつ一貫性のある対応が求められる」と指摘している。
※調査概要
「コンタクトセンターにおける顧客体験調査」
調査時期: 2012年5月1日〜6月30日
調査方法: Fifth Quadrantによるオンライン調査
調査地域: 日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インド
調査人数: 5カ国合計2681人、日本は513人
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