第3回 オリジナルコンテンツが企業とユーザーをつなぐHUBになる:【連載】オウンドメディアコミュニケーション 成功の法則21
企業のオリジナルコンテンツは、生活者にとって有益な情報コンテンツとなる。オリジナルコンテンツは、企業とユーザーをつなぐHUBとなり、コミュニケーションに必要な「キャッチボール」状態を作り出すのに欠かせない。
本連載は「オウンドメディアコミュニケーション 成功の法則21」(ソフトバンククリエイティブ)をコンパクトに再編集したものです。
第2回の振り返り
第2回は、“法則5.「理解する」ことからコミュニケーションは始まる”について解説しました。コミュニケーションには情報の受け手と送り手の相互理解が不可欠です。ユーザーだけではなく、自社についても理解を深め、オウンドメディアを通じて、どんな情報(コンテンツ)をどのように伝えることができるかを把握しておくことを確認しました。
法則6. 原点回帰で「伝える」方法を考える
何を伝えたいのかを考える
ここでのポイントは「企業側が何を伝えたいか」ばかりを重視しないこと。企業側の「何を伝えたいか」は、もちろん欠かせない要素ではありますが、この点ばかりを重視するがあまりに、ユーザー視点での「伝える」内容についての検討が希薄になりがちです。「企業視点」で物事を考えるという癖は、コミュニケーションにおける落とし穴というべきものであり、オウンドメディアコミュニケーションにおいてもコミュニケーションロスを生む最大の原因となってしまいます。そのため、企業視点で「何を伝えたいか」を考えるのと同時に、同じような優先順位でユーザー視点の「伝える」内容を検討するようにしましょう。
特に企業サイトのように、多種多様なステークホルダーがアクセスしてくるメディアである場合は配慮が必要です。企業側としても、多くの「伝えたい」内容があり、そこにはそれぞれの主張があります。一方で、ユーザー側も多種多様であり、知りたい内容やニーズもさまざまです。お互いを網羅的に把握することができず、どちらか一方の視点のみで構成されてしまうと、そこにコミュニケーションロスが発生することになります。特に危険なのは、企業視点での「伝える」が優先されてしまう場合です。
例えば、多くのユーザーは一方的な押し売りや広告を嫌う傾向にあります。こうした流れのなかで、企業はむしろ「選ばせる」という姿勢から、「選んでもらう」姿勢が問われるようになってきました。企業の一方的なPRという視点ではなく、ユーザーの比較検討において、必要な情報を提供するという視点が重要なのです。製品やサービスについて正しく情報を提供することは、企業において「伝える」ことの基本となりますが、そこから「選んでもらう」には、ユーザーにとってプラスアルファの有益な情報提供が必要になることを理解しましょう。
自社コンテンツ資産の棚卸しで強みを整理する
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第1回 ここからはじめるオウンドメディア
自社サイトをマーケティングコミュニケーションのHUBにしたいけれど、さて、どこから手をつけたらいいのか……。そんなマーケターの悩みに答える新連載。「オウンドメディアコミュニケーション 成功の法則21」(ソフトバンククリエイティブ)を再編集してお届けする。 - 第2回 オウンドメディアを通じたコミュニケーションの「キャッチボール」
コミュニケーションには情報の受け手と送り手の相互理解が不可欠。ユーザーだけではなく、自社についても理解を深め、オウンドメディアを通じて、どんな情報(コンテンツ)をどのように伝えることができるかを把握しておこう。 - 第3回 オリジナルコンテンツが企業とユーザーをつなぐHUBになる
企業のオリジナルコンテンツは、生活者にとって有益な情報コンテンツとなる。オリジナルコンテンツは、企業とユーザーをつなぐHUBとなり、コミュニケーションに必要な「キャッチボール」状態を作り出すのに欠かせない。 - 第4回 オウンドメディアはカタログでなくて、コミュニケーションメディア
オウンドメディアは文字通り「メディア」です。それはユーザーとコミュニケーションをするためのHUBであり、けっしてカタログではないのです。オウンドメディアを通じて主張するのでなく、コミュニケーションを目指しましょう。 - 第5回 コミュニケーションデザイン――ユーザー視点でコミュニケーションのシナリオを考える
オウンドメディアの果たすべき役割を考え、コミュニケーションゴールを達成するためには、ユーザーの視点に立ったシナリオ(カスタマージャーニー)のデザインが必要。認知から購入、そして自社のファンになってもらうために何が必要か? 今回はコミュニケーションデザインについて考える。 - 第6回 コミュニケーションシナリオの精度を高めるために超えるべき「4つの障壁」
今回はコミュニケーションシナリオを活用していく上で越えなければならない4つの「障壁」を紹介する。「初動「経験」「購買」「共感」。これらの「障壁」をいかに乗り越えていくか、その“超え具合”によって、コミュニケーションシナリオの精度が変わってくる。 - 第7回 「購買の障壁」を乗り越えるには、「背中の一押し」を実装できるかどうかにかかっている
「購買の障壁」で問題となるのは「背中の一押し」。これが“実装”できずに多くのユーザーを離脱させてしまっているケースは少なくない。 - 第1回 PR業界人の悩み――成功パターンが崩壊したいま、僕たちが考えること
ITの普及は消費者を取り巻く情報環境を一変させた。企業PRの観点からすると、このような環境変化は良かったのか、悪かったのか……。マスメディアを中心としたPR戦略の基本パターンが崩壊し、新しい時代のPR手法が求められる時代。電通PR 細川氏のメッセージを送る。 - 第1回 なぜ、今、インバウンドマーケティングなのか
企業や消費者の購買行動の変化、および、売る側に求められる変革の圧力という観点から、いま、インバウンドマーケティングが注目される背景を考察する。 - 第1回 マルチチャネルキャンペーンの効率的な統合管理と実施事例
マルチチャネル施策を計画するには、まずキャンペーン全体を俯瞰し、リードを顧客化/リピーター化するためのプロセスと最適なタッチポイント(メディア+コンテンツ)を設計、企画することが必要である。まずはそれぞれのプロセスにおいて、最も有効だと思われるタッチポイントを選んで組み合わせ、予算を最適に配分しよう。