Marketoはどこに向かう?――Google Cloud Platformとの協業、ABM、AIへの注力etc.:「The Marketing Nation Summit 2017」レポート(1/2 ページ)
「The Marketing Nation Summit 2017」におけるMarketo本社幹部の講演から、同社の今後の戦略を読む。
2017年10月13日、Marketo日本法人(以下、マルケト)は年次イベント「The Marketing Nation Summit 2017」を開催した。日本では2014年に始まったMAブームに乗り、順調に導入企業を増やしているマルケト。現在の国内ユーザー数は400社を超えた。基調講演には、2016年11月にMarketo CEOに就任したスティーブ・ルーカス氏と戦略担当シニアバイスプレジデントのTK・ケイダー氏が登壇。成長市場である日本において、マーケティングでビジネスを変えようと本気で取り組むマーケターにエールを送った。本稿では2人の幹部の講演から、今後のMarketoの戦略を読む。
今あらためて語る「エンゲージメントエコノミー」
Marketoが訴求する「エンゲージメントエコノミー」というメッセージは、買い手と売り手の関係がデジタルで様変わりした時代の有りようのことを指す。エンゲージメントとは、あらゆる接点を通して、意味のある方法で、見込み客や顧客と一貫したつながりを持つことであり、エンゲージメントの構築が中長期的なビジネスの成功を左右する――これがルーカス氏の主張だ。
Marketoはエンゲージメント構築をしようとする企業を支援するプラットフォームを提供する。現在のMarketo Engagement Platformは、大きく「エンゲージメントアプリケーション」と「エンゲージメントプラットフォーム」で構成されている。プラットフォームは、顧客プロファイル情報を格納した「顧客データ & ID」と、「オートメーション」「アナリティクス」「AI」という顧客データを処理する3つの重要なエンジンから成る。
ユーザーはMarketoのアプリケーションにパートナーアプリケーションを連携させて使うことができる。このプラットフォーム全体で顧客エンゲージメント構築を支援するのがマルケトの狙いだ(図1)。
Marketo Engagement Platformは完成されたものではなく、常に進化し続ける。ケイダー氏は「顧客の要求水準が高まるにつれて、マーケターのやるべきことが増えている。どんどん高くなる要求水準に合わせ、マルケトもプラットフォームを改善していかなくてはならない」と述べる。
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