ゲーミフィケーションとは何か?(前編):ゲームの力が会社を変える
ループス・コミュニケーションズの岡村健右氏が解説するゲーミフィケーション入門。言葉こそ新しいものの、実はわたしたちにとって非常に馴染み深い概念なのです。
本連載は「ゲームの力が会社を変える -ゲーミフィケーションを仕事に活かす-」(日本実業出版社)の第1章を2回に分けて転載したものです。
「ゲーミフィケーション」は昔からある概念
「ゲーミフィケーション」は、特に新しい概念というわけではありません。
こういってしまうと、「ゲーミフィケーション」とは何か、その新しい概念について知りたいと思って本書(「ゲームの力が会社を変える -ゲーミフィケーションを仕事に活かす-」)を手に取った方は、驚かれるかもしれません。
しかし、これは重要な点です。ゲーミフィケーションは決して新しい概念ではなく、すでにあらゆる業界やさまざまな場面に取り入れられており、私たちの誰もが必ず体験したことがあるものなのです。例えば、TSUTAYAのポイントカードやブログのアクセスランキング、もっと広義ではラジオ体操のスタンプカードもゲーミフィケーションの一種です。このように多数の事柄に導入され、多くの成果を上げている概念が、改めて注目を浴びているのが今の状態なのです。
そもそも「ゲーミフィケーション」とは、ゲーム以外の分野にゲーム的要素を組み込むことで、ユーザーのモチベーションやロイヤリティなどを高める手法を指す言葉です。当然、テレビゲームやソーシャルゲームの中にも組み込まれていますが、それ以外の幅広い分野にも取り入れられています。
ゲームに夢中になった経験がある人は多いでしょう。古くはファミリーコンピュータ、プレイステーション、ニンテンドーDSやWii、オンラインゲームやアーケードゲームなど、さまざまなゲームが存在してきました。ついつい時間を忘れて、1日中ゲームに没頭してしまう人も多いでしょう。最近では、ソーシャルゲームに熱中する人たちが増えており、手持ちのスマートフォンで気軽に始められるために、ゲーム人口の裾野を広げています。
このように多くの人がゲームに熱中するのは、単に面白いからだけでなく、ゲームの中に、それだけの仕掛けや仕組みがあるからです。そして、そのような仕組みは、生活やビジネスなど多くの場面で活用されているのです。
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