マルコフ連鎖を用いたアトリビューション分析サービス、IMJ:確率モデルのアトリビューション分析
アイ・エム・ジェイは9月4日、「マルコフ連鎖」を用いたアトリビューション分析サービスの提供を開始した。
同サービスはオンラインメディアへの広告出稿時のアクセスログを確率モデルで分析し、ユーザーの動きがプランニング通りだったかどうか効果を検証する。
従来のアトリビューション分析は、サイトでコンバージョン(*1)したユーザーのみが分析対象で、「ラストタッチ型」(購入の1つ前が何のサイトだったかをカウントするタイプ)、「ファーストタッチ型」(目標サイトに訪れるきっかけをカウントするタイプ。認知促進用の広告向け)、「均等配分型」(投下している広告を均等配分し、単純に算出するタイプ)など一定のルールの下に実施されていたため、各メディアの貢献度が分析方法ごとに偏るという課題があった。
IMJの新サービスはアクセスログを活用し、サイトに訪問するユーザーの全流入とコンバージョンのデータを総合的に分析する。各メディアの「サイト流入」「コンバージョン」への貢献度を、確率モデルの「マルコフ連鎖」(*2)を用いて算出することで再現性の高いアトリビューション分析を可能にする。
マルコフ連鎖による分析は実際のユーザーの遷移を確率で表すため、ユーザーの動きが事前のプランニング通りだったかを検証できる。これにより、メディアの投資額だけでなく、出稿タイミングでの数値変化を検証でき、どの媒体が有効だったか、メディアプランニングの精度を高めることができる。
*1:購買や資料請求などの最終的な成果
*2:ある状態の起こる確率が直前の状態から決まること。消費者(オンライン広告限定として)が購入に至るまでのスムーズな行動を全体のユーザー行動確率から算出できる。例えば、(認知→理解→購入)といった一連の購入までの流れを確率で算出できる。気象や交通渋滞、株価・為替など予測が難しい事柄に用いられる。
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