ボーイングなどで導入、IBMがビジネス分析ツールの最新版を発表:IBM Information on Demand 2010 Report
米IBMがビジネス分析製品「Cognos」の最新版をリリースした。
米国・イリノイ州ラスベガスで開催している米IBMの年次カンファレンス「Information On Demand 2010」では、ビジネスにまつわる情報活用やデータ分析をテーマにしたセッションが多数行われている。10月25日(現地時間)午後に開かれたキーノートセッションでは、操作性などを強化したビジネス分析ツール「IBM Cognos」の最新版が発表された。
新製品「Cognos 10」は、従来版と比べてユーザーインタフェースを大幅に改良。売り上げデータなどさまざまなグラフが表示されているダッシュボードに新規データを追加したい場合、ドラッグ&ドロップで容易に取り込むことができるほか、Excelなど別フォーマットのファイルにも柔軟に対応する。ダッシュボードのカスタマイズ、パーソナル化も可能となり、例えば、複雑な環境設定をすることなく、企業組織を超えてリアルタイムで情報共有できるようになった。
IBMの他製品との連携も強化した。昨年買収した統計解析ソフトウェア「SPSS」との機能統合が図られたほか、ブログやSNSなどの機能を統合したソーシャルソフトウェア「Lotus Connections」との連携も可能となった。これにより、データ分析におけるコラボレーションが企業内で進むと見ている。同社ビジネスアナリティクス部門のゼネラルマネジャー、ロブ・アッシュ氏は「あるデータを1人で一から分析するのではなく、既にほかのメンバーが行っているかどうかを確認して、共同で効率的に分析作業できるようになる」と話す。
ボーイングで本番稼働
ユーザー事例として紹介された航空宇宙会社のボーイングは、既にCognos 10を本番稼働している。同社でシニアプロジェクトマネジャーを務めるクリス・ハミルトン氏と、財務レポーティング担当のマーク・マクダニエル氏は、Cognos 10のメリットとして、ドラッグ&ドロップで瞬時に何万ものデータを閲覧できる操作性の良さや、従来版からシームレスにアップデートできること、テスト環境から数日のうちに本番環境へ移行できるといったシステムの柔軟性を強調した。
なお、同日のカンファレンスでは簡単な概要説明にとどまり、IBM関係者によると全貌はこれから明らかにしていくとしている。
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