「Oracle Marketing Cloud」は、マーケターが抱える5つの難題にどう取り組むのか「データファースト」で製品強化(1/2 ページ)

一貫した顧客体験を実現するためにはまずデータ、次にそれを使いこなすためのAIの力が必須。Oracleだからできる支援とは。

» 2019年03月26日 08時00分 公開
[冨永裕子ITmedia マーケティング]

 Oracleは2019年3月19〜21日(現地時間)、米国ラスベガスにて「Oracle Modern Customer Experience 2019」を開催した。マーケティング、セールス、サービス、コマースというCRM関連分野をテーマとする同カンファレンスには、世界30カ国から2000人超の参加者が集まった。本稿では、2つのセッション(B2CマーケティングとB2Bマーケティング)で紹介されたマーケティングプラットフォーム「Oracle Marketing Cloud」のアップデート内容の詳細をお伝えする。

B2Bマーケターも「マイクロモーメント」をキャッチせよ

 Oracle Marketing Cloud担当シニア・バイスプレジデントのシャシ・セス氏は、マーケターが最も注目すべきキーワードとして「マイクロモーメント」を取り上げた。

 これはもともとGoogleが2015年に提唱した考え方だ。人は何かをしたいと思ったとき、目の前にあるスマートフォンやタブレットを手に取り、調べものをしたり、購入したりする。こうした行動に移る瞬間こそがマイクロモーメントだ。

 マイクロモーメントが重要なのはB2Cのビジネスだけではない。B2Bでも顧客が何かサポートを必要とする瞬間を逃さず企業が手を差し述べることができれば、両者の間に強固なエンゲージメントが育まれる。

 しかし、B2CであれB2Bであれ、マイクロモーメントを把握することは容易ではない。これを実現するには、データに関する以下5つの難しい課題をテクノロジーで解決しなくてはならないとセス氏は訴える。

  1. プライバシーの保護:個人データを収集し、顧客プロファイルを作成する際はプライバシーへの配慮が必須となる。気持ちよくデータを提供してもらうには、インセンティブ設計が重要だ。例えば、モバイルアプリで便利なサービスを利用したいと思った生活者は、航空会社に電話番号やメールアドレスを提供する。
  2. 量よりも質:ある調査によれば、メールキャンペーンにおけるユーザー離脱の最大の原因は、送るメールの数が多過ぎることにあるという。精度の高いターゲティングができれば、無駄に多くのメールを送る必要はなくなる。さらに、機械学習を使ってメッセージを送るタイミングなどを予測できれば、コミュニケーションの質を高めることができる。
  3. 今すぐ行動を起こさなければ次の機会はない:顧客インタラクションで必要になるのは、行動履歴データよりもむしろマイクロモーメントのデータである。リアルタイムで顧客のマイクロモーメントを捉えて対応する「ハイパーパーソナライゼーション」を実現できれば、カスタマージャーニーに従って適切なコミュニケーションを取り、購入につなげることができる。
  4. 意思決定:企業に求められる意思決定のスピード感はマイクロ秒単位。データをリアルタイムに収集し、処理しなければならない。
  5. 顧客はそこで待っている:顧客は「私の声を聞いてほしい」「私が望んでいることを現実にしてほしい」と期待している。重要な指標をモニタリングし、パーソナライズした対応を瞬時に提供するための判断が求められる。
Oracle Marketing Cloud担当シニア・バイスプレジデントのシャシ・セス氏
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