インタビュー
» 2017年10月31日 07時00分 公開

【連載】ワンイシューで語り下ろすデジタルマーケティング 第1回:コンテンツマーケティングにも「売り上げ」の視点を――藤原尚也氏 (1/2)

コンテンツマーケティングは効果が見えにくい。だからといって成果が問われない施策というものはあり得ない。売り上げにつながるコンテンツマーケィングに何が必要か。

[やまもとはるみ,ITmedia マーケティング]

 デジタルマーケティング業界のトップランナーに、現在それぞれの専門分野が抱える課題と今後の展望を語り下ろしてもらうこの連載。第1回はデータドリブンなコンテンツマーケティングを推進するという観点からニキビケア応援サイト「ニキペディア」などのオウンドメディアを成功させた経験を持つ藤原尚也氏が、売り上げにつながる「データドリブンなコンテンツマーケティング」について語る。

藤原氏 藤原尚也氏
カルチュア・コンビニエンス・クラブでTSUTAYA店舗運営、ツタヤオンラインのEC事業やモバイルコンテンツ事業、Tポイントを活用したデータベースマーケティング事業を立ち上げる。その後、ガシー・レンカー・ジャパン(現ザ・プロアクティブカンパニー)でデジタルマーケティング責任者を経て、化粧品メーカーのマードゥレクス取締役社長に就任。化粧品分野でのデジタルマーケティング手法を確立する。 現在は独立し、アクティブCEOに就任。これまでの経験と人脈を生かし、幅広い業界で多数の企業に対して「チームコンサルティング手法」でデジタルマーケティングをサポートする。2017年7月にはWebサイトのUI/UX解析ツール「USERDIVE」とWebサイト改善コンサルティングを提供するUNCOVER TRUTHのチーフ・コンテンツ・オフィサー(CCO)に就任

オウンドメディアを作ることだけがコンテンツマーケティングではない

 コンテンツマーケティングで重要なことは2つあります。1つ目は、人を集めること。2つ目は、集めた人からどう売り上げを作っていくのかということです。コンテンツマーケティングというと、多くはSEOの延長線上で語られるので、人集めだけに意識が向きがちです。しかし、大切なのは、人を集めた後にどう売り上げを作るのか。そこまでを戦略的に考えないとうまくいきません。

 そこで重要な役割を担うのが「オウンドメディア」です。企業の公式サイトやECサイトというのは、自社情報を発信したり売ったりするための場所です。企業目線でなくお客さん目線でコンテンツを提供し、それを発信していくのがオウンドメディアの役割です。

 ここで、公式サイトとコンテンツを発信するためのオウンドメディアを分けるべき理由を確認しておきたいと思います。一番大きな理由は、フラットな立場のメディアとして正しい情報を発信するためです。お客さんは自社の商品だけではなく、必ず競合のことも調べています。それを制御することはできません。だったら、自分たちで作るコンテンツサイトで正しい情報を提供して、それを読んでもらった上で自分たちの商品のことを紹介したい。そのためにも、コンテンツ発信サイトは公式サイトと分けた方がいい。フラットな立場で、競合の情報も置いて、お客さんに読んでもらった上で、自分の会社のことも知ってもらうのです。最初から自社の商品を検索して公式サイトに来てくれる人よりも、そうではない層、すなわち客観的な情報を求めていたり競合のことを調べていたりする人たちを取り込んでいく必要があるわけです。

 オウンドメディアを作りさえすれば十分かといえば、そうではありません。お客さんはWeb上のいろいろな場所で情報を集めています。コンテンツマーケティングにとって大事なのは、その場所に僕らが出ていく必要があるということです。そして、コンテンツの1つ1つのページがトップページとして機能するようにする。そんな風に考え方を変える必要があります。

 皆さんも、自分自身のWeb上の行動を考えてみてください。検索して公式サイトのトップページに行きますか。それよりも、SNSのタイムラインで何かを見て、そこからそのページを見に行くのではありませか。あるいは、Googleで検索をして、検索結果ページから目当てのページに行くこともあるでしょう。そうした行動の中で商品やブランドを認知して、初めて公式サイトに行くことになるのです。

 コンテンツを作り、それをいかに各種メディアや検索結果ページなどの流入経路に入れていくか。そして自社サイトを来訪した人たちに、どうやって商品を買ってもらうのか。公式サイトのコンバージョンレートは多くの場合、3〜4%ほどです。ほとんどの人は離脱してしまいます。その離脱した人たちを購入につなげるための仕掛けもしなければなりません。コンテンツマーケティングは、こういった全体的な戦略図を頭の中に持ってやっていく必要があるわけです。

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