インサイドセールス――外回り営業部隊との分業・連携で営業の効率化と売上アップを目指すトレンドキーワードを知る

電話やメール、Webチャットなどを通じて顧客へコンタクトし、客先に訪問することなく営業活動を行うのが「インサイドセールス」である。主にB2Bのビジネスにおいて、見込み客のニーズを詳細にヒアリングしたうえで、最適な提案を行うといった業務を担当する。

» 2016年08月01日 10時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

インサイドセールスが企業にもたらす大きなメリット

 インサイドセールスは、電話やメール、Webチャットなどのツールを介して顧客とコミュニケーションを図ることで営業活動を行う、いわば“訪問しない営業部隊”である。ここでのインサイドとは、社内にいることを意味している。電話やメールで見込み客を獲得する「テレマーケティング」に近い業務を担うが、営業部門に渡す見込み客リストが成果物になるマーケティング部門の業務とは違い、あくまでも案件化を目指す営業の仕事だ。

 インサイドセールスの外回り営業部隊(フィールドセールス)との違いは、客先に訪問して対面で営業活動を行うのではなく、電話やメール、Webチャットなどのツールを使うという点だけだ。したがって見込み客の課題を掘り下げたり、購入計画や要望を詳細にヒアリングしたりして、最適な提案を行わなければならない。場合によっては、案件化後にフィールドセールスへ業務を引き継がず、クロージングまで担当することもある。そのため、企業によってはフィールドセールスよりも熟練度を要する業務と位置づけ、ベテラン営業マンに担当させているほどだ。

 インサイドセールスが登場した背景には、フィールドセールスだけでは案件化の可能性が高い見込み客(ホットリード)のフォローが追いつけないという事情がある。マーケティング部門はマーケティングオートメーションなどのツールが発達してきたおかげで、見込み客の中から案件化できる確度が高い見込み客を育成・選別できるようになった。その一方で、フィールドセールスは客先へ訪問する必要があり、訪問のアポイントメントを取り付けるだけでもひと苦労。1日に訪問できる顧客の数にも限界がある。そのため、せっかくのホットリードをみすみすコールドリード化して商機を逸してしまうことが大きな課題だった。

 そこでフィールドセールスを補完するために、まずは電話やメール、Webチャットなどのツールを利用して顧客とのリレーションを構築しようという発想からインサイドセールスが生まれたのである。

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