人々の体験を拡張させる「メディア」としてのドローン【連載】ドローンという体験 第2回

ドローンのビジネス利用が現実味を帯びてきたといわれるが、ことマーケティングに関わるところではどのような用途が考えられるのか。現時点での事例を解説する。

» 2015年06月23日 08時00分 公開
[小林啓倫日立コンサルティング]

 長崎に拠点を置き、ハイクオリティなドローン空撮を手掛けることで評価の高いあおぞら映像。同社が日本放送協会(NHK)の人気番組『ブラタモリ』に撮影協力し、長崎の軍艦島(池島)をドローンで捉えた映像が動画共有サイト「YouTube」で公開されている。

 観光地には必ずといっていいほど展望台があるように、人は高い場所から全景を見下ろすのが好きな生き物のようだ。いわゆる「ドローン」(定義については前回「勃興するドローンビジネス――いつの間にか始まっていた未来」を参照)はそんな欲求に応えてくれるということを、この映像はよく示している。さらに、人間と同じ目線のみならず鳥の目線、そして飛行機の目線へとシームレスに移行しながら撮影できるドローン空撮は、まるで重力がなくなったかのような不思議な感覚を与えてくれる。

 こうした魅力のあるドローン空撮は、対応する機種が大量に登場したこともあり、ドローンの商用利用の代表例となっている。しかしドローンの活用法はそれだけではない。今回はITmediaマーケティングの中心的な読者層である企業のマーケターに関わりのありそうな事例を中心に、ドローンをどう使えるのかを整理してみよう。

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